16話まさかの友人だってよ
「今日も関わり合いになりたくない2人に会った以外は良い1日でした。天使さん、ありがとう」
夕方になり家に帰りながら、そう呟く。自分をこの世界に送ってくれた天使に感謝を述べる。
「ただいま〜」
「ああ、おかえり!晩ご飯の準備もそろそろ終わるわ。今日はお客さんもいるから」
台所でせっせと準備をしている母に言われて、客とは珍しいなと思った。これまでに無かったのではないか?というイベントにワクワクしてしまう。
「お客さん?母さんたちの知り合い?」
「そうよ、友達が来てるの〜」
昔の話とか聞けそうで面白そうと思い、食事を取る場所に向かう。
「今日も1日楽しかった?」
「ああ、聞いてよ母さん。これがまた高飛車な女の子にあってさ。それも2人!これがまた……」
と話をしているとすでに席に付いている者と目が合う。他には誰もいないことから彼女が母の友人ということになるだろう。
「昼間のロリババア……」
「昼間のクソガキ……」
お互い小さくつぶやいた。
「おい!なんでここにいんだよ?」
「む?それはここの家の者と友人だからだ!それにしてもまさかお主が、息子か!」
お互いに驚いてしまう。
「はい、晩ご飯にしましょ〜。フーナ、運ぶの手伝って〜」
と母の声がしたので台所へ向かった。
今日のご飯は、友人とやらが来たということが原因かいつもより豪華に感じた。
フーナとしては、どうしてこうなったのか……という気持ちで一杯だ。
(ロリババア、お前本当に友人なのかよ?)
(ふふふ、本当に友人じゃぞ。それとお主、言葉遣いに気をつけるのじゃな!うっかり、母にチクってしまうかもしれんのぉ)
フーナと友人エルフが心の中で会話する。
「フーナ、この人はレガレスト・フォード。賢者って言われる高位の魔法使いよ!」
「よろしくな、フーナよ。賢者、お主にわかるかのぉ?賢者レガレストじゃ」
母親の紹介にレガレストが手を差し伸べてくる。
(賢者ってマジかよ……憧れの存在がこんな幼女、もう俺は剣に生きるか……)
若干ふざけつつ、握手する。わざと力を込めて握手する。というか、レガレストも同じことを考えていたらしく熱い握手となった。
「賢者に憧れてたから、良かったじゃないかフーナ」
「そうだね、父さん」
(ちくしょう、こんな賢者じゃなければ喜んだよ!)
(ほう、お主の悪口親に伝えても良いのだぞ?ロリババアだの言いおって)
ならばとフーナも切り札を切る。
(お前が俺の頭を急に叩いたこと、母さんに泣きつくからな!)
(ぬっ、卑怯な!ならば、これでおあいこにしよう。なしじゃなし!)
慌て始めたぜとフーナは笑う。賢者というが、悪巧みでは自分の方が上だろうと思う。なので、さらに攻める。
(でもなぁ、いい歳した大人が子供を叩くなんてなぁ〜おあいこになるかなぁ?)
(キッイー、しょうがない。美味しいお菓子もつけてやる!これでどうじゃ)
(ならそれで手を打とう)
お菓子を引き出すことに成功した。完全に勝ち誇った顔でフーナは食事を再開する。
「あらあら、随分と仲良しな雰囲気ねぇ」
「なんだか、兄弟みたいだな」
母と父が言ってくる。レガレストは見た目的に近いのでそう思われても仕方ないが……
「そういえば、フーナは魔法が使えるのじゃな!ファイアボールを川に撃っておったぞ」
フーナがスプーンを皿の上に落とした。魔法のことはまだ誰にも言っていないのだ。
「フーナ〜、どういうこと?お母さんも詳しく知りたいなぁ?魔法がでたら教えてって何度も言ってきたけど?」
「えっと……気のせいじゃないか!」
「賢者が見間違えるはずがなかろう?」
やり返された!と思ったがもう遅い、確実に賢者の言葉を信じる。誤魔化しようがない。
こうして、魔法が使えるのに言わなかったことがバレたのだった。




