15話また面倒そうな人だよ!
「待てぇ!フーナぁぁぁぁ」
後ろからの声を尻目にフーナは全力疾走で逃げ出した。このまま話していても良いことはなさそうだと思ったからだ。むしろ厄介ごとに巻き込まれる予感しかしない。
「身体強化で追ってくることはないか、まだ使いこなせてなくて良かった」
後ろにいないことを確認して、フーナはため息をつく。
「さーて、気を取り直して魔法の練習だな」
先程とは離れた場所にある川にやって来て魔法の練習を再開する。今度は誰にも邪魔して欲しくないものだ。
「火よ……」
と掌を出して呟くと、そこに火が灯る。河原に座り手にひたすら集中する。すると徐々に火が強くなっていく。
「良い感じ良い感じ……」
火の魔法には細心の注意を払っている。最初の頃は、火傷が怖くて手袋を拝借して来て試したら手袋に引火したのだ。慌てて川に飛び込んで消したものだ。
「後から誤魔化すのが大変だったな……」
手袋についてはお小遣いで新しいのを買って誤魔化し、濡れているのは滑って川に落ちたことにしたのだ。本当に落ちたのか?と思われてそうだが、必死にとぼけた。
火の大きさが、ソフトボールよりも大きくなっているので一旦止める。
「これくらいのサイズならファイアボールって言っても良いんじゃないか?」
ファイアボール(推定)を川に投げ込んでみると、ボンっと水しぶきを上げて消える。周囲には誰もいないと投げる前に確認しているため目立っていないだろう。
「ほう?ファイアボールか。まだ5歳位じゃないか?その歳でやるじゃないか!」
声が聞こえて、おいおい見られてるじゃんと思いながら振り返るとそこにはいくらか歳上くらいの女の子が立っていた。緑色の髪が綺麗なセミロングの女の子だ。
「ん?なんだ幼女か。どうしたんだ?」
「幼女言うな!私はれっきとした大人なんだよ!」
いきなり鋭い切り返しだ。ナイスツッコミと言った所だろうか?
「大して歳変わらなそうじゃん。まぁわかるよ。背伸びしたい年頃なんだよな?」
「同情するような視線を向けるでない。ほれ!」
と言いながら耳を見せてくる。尖っている。エルフ耳というやつだ。
「えっと、じゃあ結構歳を召されています?」
「うむ、100歳は超えておるぞ!どう、私凄いじゃろ?」
ムフフッとドヤ顔をしてくる。
「なんだ、ロリババアか。どうしたんだ?」
「む、ムキーーー!お主、さっきからふざけおって許さんぞ!」
と言いながら頭を叩いてくる。そこそこ痛かった。
「おい!叩いたな、お母さんにチクるからなぁ!」
「ふん!お主が悪いんじゃ、女性をババア呼ばわりなど」
と言い鼻息を荒くしながら去っていった。
なんだったんだ?と思いながらフーナは魔法の練習をまたもや再開するのだった。




