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きれいな世の中

 今回はなろうに一切関係ない話。


 昨日、一部の公共料金がカード払いにできないため、コンビニへと支払いに行きました。

 そのコンビニはしばらく立ち読み御用達のお店で、以前は毎日のように行っていた。


 しかし、いつからか新発売の雑誌はレジの前に積まれるようになり、足が遠のいていた。

 料金の支払いを済ませ、なんとなく本のコーナーに行くと⋯⋯


 発売日の週刊少年マガジンが陳列されていた。

 立ち読みコーナー再開のお報せだった。


 やはり、雑誌を立ち読みできるようにするのは、一定の集客力があるのかな? などと考えながら最近はあまり読むことのないマガジンを手に取り、パラパラと眺めていた。


 しばらくして、八十は超えているだろう老人が、私の隣にやってきた。

 老人は、しばらく本のコーナーを眺めたあと。


「ない⋯⋯」


 と、はっきり声に出して言った。

 老人はトボトボと店外へ向かい、何も購入することなく、自転車に乗り、帰路についた。





 みなさんご存じだろうが、コンビニエンスストアで、成人雑誌の取り扱いが無くなった。

 老人が「ない⋯⋯」とつぶやいた場所は、先日までまさに成人雑誌が陳列されていたコーナーだった。


 きれいな世の中を目指し、現在様々なものが規制されている。

 もしかしたら、昨日は老人が毎月楽しみにしている雑誌の発売日だったのかもしれない。

 すぐ近所には本屋が無いので、老人は隣町までたち漕ぎ(「たち」はあえて無変換)で自転車を走らせたのかもしれない。

 もしかしたら、諦めたかもしれない。

 私の偏見だが、老人はとてもインターネットを駆使して、望む情報にアクセスし、己の欲求を満たすことのできるタイプには見えなかった(そもそもそれが可能なら、コンビニで成人雑誌を購入しないかもしれない)。


 大げさに言えば、その雑誌を購入するのは、老人の生きがいだったかもしれない。

 しかし、きれいな世の中にしようとした結果、一人の老人の楽しみが奪われたのは間違いないだろう。


 いや、ショックだったんでしょうが、声に出して言わないでよ、思わず笑いそうになりました、そんな話。


 

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