14話 真理の迷宮。
14話 真理の迷宮。
「君の行動は、なかなかに最低だったが、しかし、だからフルコンできたというのも事実。よく頑張った……とは、正直言い難いが、まあ、この世は結果がすべて。よく頑張った」
「……はぁ、そりゃ、どーも」
「あらためて、私は三年生の銃崎美砂。地下迷宮研究会の部長で、探究者チームのリーダー。職業は竜騎士とパラディンのダブル。ランクはA+。こっちの二人も探究者で、君たちの先輩だ」
銃崎に続いて、育ちと品の良さしか感じない高貴さの塊のような女が、優雅に一礼し、
「華日さん、ご機嫌よう。そちらのお二人は、はじめまして。わたくしは、二年生の怪津愛と申します。職業はランクBのブラッドサモナー。どうぞ、よろしく」
挨拶を〆る微笑みを浮かべた所で、隣にいるポニテの女が、
「ボクは羽金怜。これで自己紹介は二度目だから、流石に名前くらいは覚えてほしいかな。まあ、忘れられたからって怒ったりはしないけどね。ただ一応、最上級生だから、最低限の礼儀くらいは示してくれないと悲しいかな。職業はランクA-のサムライ。よろしくね」
「あともう一人、二年の女子がいるのだが……で、あのアホ、どこにいった?」
「ボクに聞かれても、『どこ』に行ったのかなんて分かるわけないよ。なんせ、ボクには、彼女が『いつ』いなくなったのかすら、さっぱり分からないんだからさ」
「終様なら、突如不幸に遭われた親戚のお葬式に向かうため、少し前に帰られましたわ」
「ちなみに、亡くなったのは、どういう親戚だと言っていた?」
「父方の祖父の一番上のお兄さんが芸者に産ませた隠し子と言っていましたわ」
「あのアホに伝えておけ。その人は八か月前に死んでいる、と」
「今回で三回目の御臨終。よく生き返る人だね。もしくは、隠し子が三人いたのかな?」
二人は皮肉を口にしながら、互いに同じクオリティの呆れ顔を作って、溜息をついた。
「まあいい。あのアホがいると、色々としっちゃかめっちゃかにされて、話が無駄に長引くからな。むしろ都合がいい」
そこで、銃崎は、コホンとセキをして、
「これから、君たちに、最低限の連絡事項、現状のまとめを伝える。できるだけ短くするから安心してくれ。私もダラダラ話すのは好きじゃない」
言いながら、銃崎は用意しておいたイスに腰掛け、全員に座るよう指示を出した。
皆が腰をかけたのを確認してから、
「私たちは探究者。真理を追い求める者。万物の真理は、地下迷宮の最深部にある。私たちは、授けられた力を鍛え、駆使し、真理が眠る最奥部を目指す。現時点でたどり着いた階層はゴール手前の地下七階。最下層の地下八階への階段は、とある化物に堅守されている。私達の現時点における最大の目的は、その怪物を倒し、最後のステージへと進むこと。……と、これだけで、ほぼすべてだ。何か質問は?」
そこで、華日が手をあげて、
「真理って何なの?」
「それを探している」
「意味がわからないのだけれど。具体的に教えてくれないかしら?」
「君が生まれた理由」
「は?」
「それも、真理の一つだ。この世界が誕生した理由。根源の解答。真理とは全ての答え。神の返答。天上の意志。すべてが真理」
「……あんた、頭、イっちゃってんの?」
そこで、羽金が割って入り、
「迷宮の入口に、そう書かれた石板があるんだよね。『この先に真理があるから探し出してみせろ。真理とは、原初の答えである』ってさ」
「それに、口がきけるモンスターのほとんどが、その奇怪な口をそろえて言ってきますわ。『真理を追い求めよ』・『真理は全ての答え』と」




