第90話 「後でスタッフが、美味しく頂きましたわ」
……もぐもぐ。
久しぶりの姉妹四人での朝食に、ラミスは食事をしながら幸せそうに微笑む。
そして姉妹三人の顔を、何やらじっと見つめ始めるラミス姫様。
けたけたと笑いながら、食事を楽しむ姉リン。
「これなかなかいけるじゃなーい。ラミスも食べるー?」
「頂きますわ、お姉様。」
姉リンは間違いなく、ツインデール公国の最大戦力である。それだけではない。姉リンが居ると思うだけで、ラミスにはとても頼もしく思えた。
お上品にナフキンでお口を拭きながら、食事を終える姉ナコッタ。
「この果物、とても甘くて美味しいわ。ラミスも食べてみる?」
「頂きますわ、お姉様。」
公国一の才女と謳われる姉ナコッタ。今後の対策なども、色々姉に相談しようと思う。
食後のデザートのケーキを幸せそうに見つめながら、口に運ぶミルフィー。
「あっ、いけない。私ったら、大切なケーキを落としてしまいましたわ。どうしましょう?」
「頂きますわ、ミルフィー。」
…………。
…………。
ラミスは紅茶を飲みながら、そっと瞳を閉じ考える。そしてゆっくりと目を開き、姉妹三人の顔をもう一度、改めてじっくりと見つめる。
……ラミスは思考を巡らす。……いや確信する。
────────。
「犯 人 は、 こ の 中 に い る !!」
──キリッ!!
……そう、この中に犯人が。
リンお姉様、ナコッタお姉様、そしてミルフィー。
この中に、あの寝相がとても悪い犯人がいる!!
──長女リン。公国一のリーダーシップを誇り、どんな時でも一番頼れる姉リン。皆が、妹三人が憧れる。そんなリンお姉様のお寝相が悪い事なんて、あり得るのだろうか?
──次女ナコッタ。公国一の知能を誇り、万里を見通す才女ナコッタ。姉妹四人の中で、一番慎ましく、おしとやかで知性溢れるナコッタお姉様。そんな、お姉様のお寝相が悪い事なんて考えられるのだろうか?
──末女ミルフィー。公国一の美姫と謳われ、私に匹敵する美貌の持ち主ミルフィー。そんなどんな時でも常に美しく、そしてこんなに可愛いらしい妹の、お寝相が悪いだなんて想像も出来ない。
…………。
ラミスは食事を終え、うっすらと目を開けながら紅茶を飲む。そしてくるっと回り微笑みながらカメラ目線で話し出す。
「さあ、このミステリー。貴方に解き明かす事が出来るのかしら?私には、もう犯人の顔が手に取る様にはっきりと見えています事よ?」
──キリッ!!
犯人は一体誰なのか?
次週、犯人の正体が明かされる!!
はたして、犯人「眠れる森の美女」の正体とは!?
「犯人の正体は、名探偵であるこの私が華麗に暴いて見せますわ!お父様の名にかけてっ!!」




