表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
剣も魔法も全く使えない姫なので、物理〈拳〉で乗りきるしかありません!【プリンセス無双】さあ、優雅〈エレガント〉に参りますわよ!!  作者: 魔神
古の魔獣と龍の姫編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

71/164

第71話 「今日は何だか、調子がいいですわ」

驚くヘルニア兵士達。

ツインデール兵は少なくても、五十人程はいる。それなのに、初手姫様である。ヘルニア兵達が驚くのも無理は無いだろう。

──ドガガッ!

瞬時にヘルニア兵を、十数人蹴り飛ばして行くラミス姫。

ここは山の中腹である。ガルガ隊長は、ヘルニア帝国軍の襲撃に備えて、万が一の時の為に山中に陣取っていた。

その高低差により、地の利はこちら側にある。

……それだけではない。

この段差が激しい山中においては、ラミスにとってかなり有利で相性のいい戦場と言える。

──ドガガガガガ!

ラミスはヘルニア兵の攻撃をひらりと華麗に回避(かわ)し、次々とヘルニア兵達を蹴り飛ばしていく。本来ラミスが倒せる敵兵の数は、精々十数人程度である。

普通ならばラミスの攻撃は、その堅い鎧や兜に阻まれ、致命傷等を与える事は厳しい。

……しかし、この戦場は少し違う。

この様な山の中では、敵兵の侵入経路はかなり限られる。ラミスはその中で、一番中央の道の高低差がある(がけ)に目を付け、自ら敵兵の中へと飛び込んで行った。

──ドガガガガッ!

そして、ヘルニア兵士を次々と蹴り飛ばす。堅い鎧に阻まれ、ほとんど致命傷を与える事が出来ない筈のラミスの蹴りも、この高さから落ちれば話は違ってくる。当然多少なりの怪我をし、ダメージを受け。そして頭から落ちる等、打ち所が悪ければ大怪我をし、最悪の場合死に至るだろう。

──バババッ!

ラミスは攻撃を素早く回避(かわ)し、次々とヘルニア兵を撃退していく。……その数は既に二百を超えていた。

「……ひ、姫様!?」

「お、お姉様……?」

その活躍に、味方の兵士やミルフィーまでもが驚いていた。


…………。

……体が軽い?

ラミスは先ほどから、自分の体に多少の違和感を感じていた。

…………。

自分はこれ程までに、素早く動けただろうか?

はたして自分の蹴りはこれ程、威力があったのだろうか?

そして、ミルフィーのいる東の山へ向かう最中。自分はこれ程までに、足は速かっただろうか?


…………。

まあ、微々たる差でしかないし。たまたま調子が良いだけなのかも知れない。……ラミスはあまり気にしない事にした。


「……ははははははっ。」

ラミスの活躍を見て、ガルガ隊長が笑い出す。

「俺も負けては、いられませんなぁ!」

ガルガは大剣を振りかざし、ヘルニア兵目掛けて振り下ろす。

──ザシュ!

そして凪ぎ払う。

──ザン!

ガルガ隊長のその刃は、一度に十数人の敵兵の体を引き裂いた。

──ザシュ!ザシュ!!

「ひっ、ひいー!」

ガルガ隊長の、その凄まじさに。ヘルニア兵達は恐れをなし、次々と逃げ出して行く。


「はーはっはっは!見て下され、姫様。ヘルニア兵共が恐れをなし、逃げて行きますぞ!」

──シュバッ!

「まだですわ、ガルガ隊長。」

「ひっ、姫様!?何時(いつ)の間に!?」

何時(いつ)の間にか、ガルガ隊長の隣に移動し、何やら険しそうな瞳で遠くを見つめるラミス姫様。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ラミちゃんもしかして、やり直すたびに強くなっていってたりとか?どうなんでしょう?
普段よりも調子が良い? (´・ω・`) 経験値が蓄積してのやり直しだからかな? (・∀・)
うーん、前回ここに姫様がいらっしゃった時のことを思い出すと、その成長を感じさせる快進撃、読んでいてスカッとしますわ(*’ω’ノノ゛☆パチパチ ……ん? でもこの書き方はなんかもしかして伏線……伏線なの…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ