第67話 「まだ、終わっていませんわ」
「まだ、終わってませんわー!!」
──くわっ!!
……そう叫びながら、慌てて起き上がるラミス姫様。
「まだ、デザートが残っておりましてよっ!」
…………。
「……あら?」
……ラミスは、キョロキョロと辺りを見回す。
「……あ。夢でしたわ。それにしても、大変美味しそうな夢でしたわね。」
一体ラミスは、何の夢を見ていたのだろうか?
…………。
「さてと……。これから、どう致しましょう?」
とりあえず、リンお姉様に会える事が出来た。これで姉妹全員の居場所が判明し、数々の疑問の解消に繋がった。特にリンお姉様の加入は、かなり頼もしいといえる。
……しかし、このルートは正しいルートではない。姉である、ナコッタが死んでしまうルートなど、正しいルートであってはならない。……絶対にそんな未来にしてはいけない。
…………。
ここでもう一度。ラミスはこれまでの経緯を整理してみる。
解決しなければ、いけない問題点。
ミルフィーと姉ナコッタは、どちらか片方しか助ける事が出来ない件。
ミルフィーは会う事さえ出来れば、北の街まで逃がす事が出来るのだが。姉ナコッタのいる村には、既にヘルニア兵が迫っており、更にあの強敵の剣士までいる事。
最大戦力である姉リンには、すぐに会える事が出来ない件。
……これは恐らく、姉ナコッタの持つ神々の力と予想している。
そしてまだ、城に捕らわれている人々……。
襲われている村々……。
……そして、北の街に現れるヘルニア兵二千と豚五体。
流石に豚五体は強すぎて、どうする事も出来ない件。
最高戦力の姉リンでも、倒せるのは精々一、二体だろう。
……やはり、問題が山積みである。
しかしリンお姉様の加入により、今ある問題の幾つかが解決に繋がる。ミルフィーの魔法も強力で、怪我や体力が回復出来るのは、大きいと言えるだろう。
……これに姉ナコッタの神々の力が合わされば、全ての問題が解決出来る日が来るのかも知れない。
ラミスが今やるべき事。それは。
一つ目は……。姉ナコッタに会い、神々の力を試してもらう事。姉ナコッタに宿る神々の力は、やはり確認しておきたい所である。そうする事により、最高戦力である姉リンと合流出来るからだ。
二つ目は……。ラミスは少し考える。
「試してみる価値は、ありますわね……。」
三つ目は……。ラミスは、またもや悩み始める。
「うーん、やはり。それしか方法はありませんわよねぇ……。」
四つ目は……。ラミスはぐっと手を握り締め、決意をする。
「まずは、これから。試してみたいですわね。」




