第163話 「素敵ですわ」
「うおおおおおおおおおおおおお!!」
「オオオオオオオオオオオオオオ!!」
勝利と共に、沸き上がる二万七千の大歓声。喜びのあまりに飛び上がる、ラミス姫様。
「うっ、わーい♪」
──だだだだだだだだだだっ。
そしてラミスは勝利の立役者であるバラン将軍に、音速で駆け寄り飛び付いていく。
「素敵ですわーっ!バラン将軍!!」
──ばっ。
「ひっ、姫様!?……むぐっ。」
その場に居る全員がバラン将軍の元に集まり、歓声を送り感謝の言葉を述べた。
夕暮れの中、祖国を取り戻した事に涙を流して喜ぶ兵士達……。ラミスも将軍達も、皆がその勝利を喜んでいた。
……この時、この瞬間。
ラミス姫の長い長い戦いが、ようやく終わりを告げたのである。
……いや、まだヘルニア帝国の脅威が完全に去ったと言う訳では無い。
何れまたヘルニア帝国の軍勢が、ツインデール公国に再び侵攻を開始する事だろう。
だがその時はまた、心強い仲間達と共に戦えばいいだけの話なのである。
……ラミスは、確信していた。
例えそれが、どんなに強敵だろうとも。例え、どんな過酷な運命が待っていたとしても……。
この仲間達が全員で力を合わせれば、どんな困難だろうと打ち破れる事を。
……ラミスは、そう信じていた。
「どんな敵が来ようとも、私が蹴散らしてあげるわよ!」
ツインデール公国、第一公女リン。
「皆、よく戦って下さいましたね。心から、お礼を申し上げますわ。」
ツインデール公国、第二公女ナコッタ。
「はぁ……バラン将軍。……素敵ですわぁ。」
ツインデール公国、第四公女ミルフィー。
「流石、私ですわ!全て、私の計画通りでしたわー!!」
……どやぁ。天才過ぎて、少し自分が怖いですわー。
そして、我らがプリンセス。ツインデール公国、第三公女ラミス。
それに素晴らしい仲間達、頼れる将軍と隊長達……。この全員が力を合わせれば、もう怖い事など何一つ無いのである。
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『我らがプリンセス、公国の第三公女ラミス。』
何時もごろごろと、優雅に戦うラミス姫の活躍は。ツインデール公国だけに留まらず、大陸全土に響き渡る天下の大プリンセスとなる。
『天下独尊のスーパーお姉ちゃん、公国の第一公女リン。』
正式にツインデール公爵の地位を引き継ぎ、ツインデール公国の新たな公主となる。その活躍は公国だけに留まらず、全世界を導く王となる。
『知性溢れる四姉妹の道徳心、公国の第二公女ナコッタ。』
溢れる知性で陰ながら姉を支え、博愛と慈愛の心で国を支える。近々、ある騎士と結婚するとの噂である。
『何時も天真爛漫の美姫、公国の第四公女ミルフィー。』
その溢れる美貌で全公国民を虜にするのだが、美少年には目も暮れず。その美しい瞳の先には、常におじ様の姿が映っていた。
『公国最強の将軍、剣王バラン。』
戦いが終わり将軍の座を退き、実家の農家を後を継ぐ。持つ物を武器から農具に変え、大地を耕し野良仕事に精を出す。
『大陸一の美形剣士、剣聖クリストフ。』
己の未熟さを認め、更に鍛練に励んだ。その努力により、自他共に認める大陸最強の将軍となる。
『将軍兼主婦、剣聖レティシア。』
ヘルニア帝国兵との戦いより、育児との戦いに苦戦を強いられている。
『公国最強の隊長、剣豪ガルガ。』
孤児院を作り、毎日子供達と楽しく遊んでいる。ラミスを含め、四姉妹もよく顔を出しているらしい。
『クールでニヒル、剣豪ギリアム。』
将軍を目指し、日々鍛練に励んでいる。常に自分に厳しく、己を磨き上を目指す。
『愛に生きる騎士、剣豪グレミオ。』
結婚して、奥さんに毎日デレデレしてるとか……。
『燻し銀の剣士、剣豪ゲッペルス。』
隊長から料理人へと、華麗に転職する。その華麗な技の数々に、公主リンも通っているとか等と噂になっている。
『何時も元気な大食漢、剣豪ゴライアス。』
おにぎりを食べながら、今日も元気に警備中。
『期待の貴公子、ユリフィス。』
隊長に昇格し、次は将軍の座を目指し日々鍛練に励んでいる。婦女子からの熱い視線は、とどまる事を知らない。
『ドジっ子ムードメーカー、新人兵士ユミナ。』
何時も元気な、頑張り屋さん。今日も元気に、何処かで躓いて転んでいる。
『第三公女専属メイド頭、ロクサーヌ。』
ラミスの専属に戻り、日々ラミスのお世話をしている。ラミス姫とは今日も仲良し。
『豚王子、シュヴァイン。』
毎日牢の中で肉をねだり、ぶーぶー喚いている。うるさいとリン姫に足蹴にされる王子だが、そろそろ何かに目覚めそうである。
『ポンコツトリオの右、ビックス。』
牢の中で、今日も田舎のおばあちゃんに会いたいと、しくしくと涙を流している。
『ポンコツトリオの左、ウェッジ。』
今日も、元気にお腹が痛い様だ。
『凄腕の剣士、ゲイオス。』
……バラン将軍に討たれ、戦死。
『歴戦の傭兵、セルゲイ。』
……バラン将軍に討たれ、戦死。
『廊下の兵士、ゲイオルグ。』
……バラン将軍に討たれ、戦死。
『剣も魔法も全く使えない姫なので、物理〈拳〉で乗りきるしかありません!【プリンセス無双】さあ、優雅〈エレガント〉に参りますわよ!!』
【第一部】
『王の名を持つ獣編』
「ツインデール公国、解放の章」
「完結」
皆様、ここまでお読み頂きまして。
大変ありがとうございました。
(。・_・。)ノ
次回で、この章は終わりとなりますが。
まだこのお話は、もう少し続きます。
次からは、新たな章に突入する訳ですが。
少し、お話を練り直す為。
しばらく、お休みさせて頂きます。
1週間?2週間?1ヶ月?2ヶ月??
かは、分かりませんが……。
お話を練り直し「十国伝」の方を、ある程度進めてから。
再開しようと、思っております。
(* ̄▽ ̄)ノ
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゜+(人・∀・*)+。♪
読んで下さった、皆様に感謝♪
ありがとうございました!!
では次回、また会える日を楽しみにお待ちしております。
(ФωФ)ノ 魔神ねっこ




