第159話 「全ては、この刻〈とき〉の為にですわ」
「駆け付けるのが遅れ、大変申し訳ありません。姫様。……このレティシア、我が祖国ツインデール公国を取り戻す為に、身命を賭す覚悟にございます。」
二日後。ホースデール王国からの援軍が到着し、ツインデール公国奪回の全ての準備が整う事になる。
「よし!」
むふー、とやる気満々のリンお姉様。
姉リンの下に、祖国解放を願う総勢二万七千の有志が集まった。
「よーし皆ー、行くわよー!準備は出来てるー?」
姉リンは意気揚々とツインデール城を指差し、そして高らかに宣言する。
「取り戻すわよ!私達の公国を!!」
「オオオオオオオオー!!」
リン公女の檄により、兵士達の士気は最高潮に達した。ラミス達は、この勢いに乗り進軍を開始する。
「…………。」
ラミスは自分達の城を目前にし、再び想いを巡らせた。
これが最後の戦いなのだと……。今まで何度も勝利を目前にしながら、何時もラミスの前に大きな壁が立ち塞がり、そしてその勝利を逃してきた。
しかし、その長い戦いにも終わりが来ようとしていた。
そう、この戦いに勝利すれば全てが終わるのだ。……この長い長い戦いが、ラミスの戦いの日々がようやく終わろとしていた。
ラミスは、凛とした表情で前を向く。……絶対に、勝たなければならない。今のラミスは、今までのラミスとは違うのだ。
嘗ての公国の最大戦力を取り戻し、公国最強のバラン将軍が居る。そして何より……。
──ラミスの秘策があるのだ。
必ず勝てる、ラミスはそう心に言い聞かせた。この聖戦に、この最終決戦に。……この長きに渡る戦いの日々に!
──終止符を、打つときが来たのだ!!
「皆、覚悟は出来てる?さあっ、勝ちに行くわよっ!!」
「オオオオオオオオ!!」
リン姫の激に呼応し、最高潮に沸き上がるツインデール公国軍。ラミスは勝利を胸に抱き、ヘルニア帝国兵目掛けて走り出して行った。
総勢二万七千のツインデール公国軍により、祖国奪回の最終決戦が始まる。
「さあ最後のフィナーレは、華麗に決めさせて頂きますわよ!」
──ドドドドドドドド!!
ツインデール公国軍の猛攻が始まる。それに対しヘルニア帝国には、僅かな兵力しか残されていなかった。
公国が誇る三将軍の前に、ヘルニア帝国軍は既に敵では無く、帝国兵達はすぐに投降し始める。
──ドガガガガガガガガッ!!
奥から湧き出てくる大量の豚を、次々と薙ぎ倒すラミス姫様。
──ギュオ!!
その技の凄まじさに地面は抉り取られ、大地が川の様に裂けていった。ラミス達は豚を葬りながら、奥へと進み最後の決戦へと挑んだ。
「ブヒィイ!!」
──ザッ。
最後の強敵、豚王の前に、公国が誇る最強の戦士達が集結する。
神々の力をその身に宿す、四姫。
公国最強の、三将軍。
剣豪の称号を持つ、五隊長。
ラミス姫の下に、これ以上と無い布陣が完成した。
最後の強敵に挑む、ラミスと最強の戦士達。
ラミスの今までの死は、決して無駄では無かった。ラミス姫のその努力も、決して無駄では無かったのだ……。
──全ては、この闘いの為に!
「バラン将軍、頼みましたわよ。公国の未来、貴方に託しましたわ!」
「はっ!お任せを!このバラン!姫様に、必ずや勝利を捧げてご覧に入れます!!」
に"ゃ─────。
( ・∇・)っ
物語もクライマックスにっ!
ラストスパート、頑張りますにゃ。
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