第153話 「自分を信じて、闘うのですわ」
ラミスはロクサーヌと合流し城の人達を連れ、北の街へと向かった。その途中、ヘルニア帝国兵の追ってが来ていない事を確認し。ラミスは一人、ミルフィーの待つ東の山へと走って行った。
「ミルフィー!」
「お姉様ー!」
……ひしっ。
ラミスはミルフィーと楽しく、お喋りとお紅茶の時間を楽しんだ。その後に城や戦況の心配をし、そわそわとしているガルガ隊長達に説明を始める。
「かくかくしかじか~しかのこのこのこ~ですわ。」
しかし今回のラミスの話は、かなり内容が違ってくる。
……バラン将軍が、生きているのである。そして豚王を倒し、公国を取り戻す事が出来る可能性があるのだ。
「皆様、まだ希望を捨てるのは早いですわよ。城こそ、落とされはしましたが……。今バラン将軍とクリストフ将軍が、城を奪回する為の手筈を整えておしますわ。祖国解放は、もう間近に迫っておりますわよ!」
ラミスの、その言葉に兵達は皆喜び歓声を上げた。
……まだ、終わっていないのだと。……まだ、希望の灯火は消えていないのだと。まだ自分達が戦える事を知り、兵士達の士気が高まっていった。
次にラミスは、この東の山にヘルニア帝国兵千五百が迫っている事を隊長に伝える。
しかしヘルニア兵千五百など、既に敵では無い。ラミスとガルガの二人居れば、問題無いだろう。
……だが、問題は豚である。ラミスはまだ、あの豚の硬い装甲を撃ち貫く事が出来てはいない。
「…………。」
ラミスは静かに、自分の拳を見つめる。ラミスには、まだ倒す事が出来ない怪物豚。
……逃げる事は出来る。今ここで、東の山で無理して戦う必要は無い。北の街に行けば、バランとクリストフの両将軍が居るのだ。豚など、数秒で蹴散らしてくれるだろう。
……そう今、無理に戦う理由など一つも無いのだ。
──しかし。
ラミスは強く拳を握り締め、顔を上げ真っ直ぐに前を見つめる。そしてラミスは、自分に強く言い聞かせた。
……自分を信じて進むのだと。
ラミスは退かず、戦う決意をする。
「では参りますわよ、ガルガ隊長。」
「はっ、姫様!」
──ドガガガガッ!!
千五百のヘルニア兵達を、次々に沈めていくガルガ隊長とラミス姫様。しかしラミスは、少し面倒くなった為。……あの奥義、プリンセス"雷龍"を放つ。
「少し、痺れますわよ!」
──ドガシャーン!!
閃光に包まれ、爆音と共にヘルニア兵達が吹き飛んでいく。
──バリッ、バリバリバリ。
その中心で一人、雷を帯び仁王立ちで構えるラミス姫様。
「…………。」
──ぷしゅー。
「あば、あばばばばばばばば……。○△○」
……こてん。
ラミスは、こてんとその場に倒れ込んだ。
……どうやら、まだ奥義を完璧に扱えてはいない模様である。
にゃー。
(ФωФ)ノ
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