第146話 「次、そこに立っているのは私〈わたくし〉ですわ」
目前まで迫っていた筈の勝利が、何時もすぐに遠ざかってしまう。その勝利の遠さにラミスは絶望し……。そして、哀しみに打ち拉がれていた。
──キッ。
ラミスは、勇ましく豚王を睨み付ける。だが勝たなければならない、何としても……。
ラミスは涙を堪え決して目を逸らさずに、バラン将軍と豚王の死闘を最後まで見守り続けた。
────────。
ラミスは、その最後の一瞬まで目を逸らさなかった。最後まで決して目を逸らさず、バラン将軍の勇姿を目に刻み込んだ。
──全ては、次勝つ為に。
夕日に照らされる中、その闘いは終わりを告げる。長時間に渡る戦いの末、力尽きるバラン将軍。
「バラン将軍の死は、決して無駄には致しませんわ。」
「プギィ……。」
豚王は傷だらけの状態で、辛うじて立ち上がる。そしてラミスに向かってゆっくりと歩み寄り、その巨大な戦斧を振り下ろした。
……だが、ラミスは最後の瞬間まで目を逸らさなかった。ラミスは毅然とした態度で豚王を睨み付ける。恐怖に怯える事も無く最後の一瞬まで、ラミス姫は悠然と佇んでいた。
凛々しく、勇ましく……。姫の、その姿は煌々しい迄に優雅だった。
「次そこに立っているのは、バラン将軍と私ですわよ。」
──ザシュ。
────────。
薄暗い牢の中、一人目覚めるラミス。何時もなら冷たい地面の上に横たわり、うつろな瞳で天井を見上げるラミス姫なのだが……。
今回は何時もとは違い、すぐにすっと立ち上がる。そしてラミスは自分の拳を、じっと見つめ力強く握り締めた。
「……時間がありませんわ、少し急ぎませんと。」
ラミスのその瞳は、必ず勝つと言う決意に溢れていた。……迷っている時間など無い。
ラミスは手を掲げ、すぐにエインフェリアを呼び出す。
──ぽよん。
──ぱよん。
──ばばーん!!
復活を果たす三人。ユミナ、ユリフィス、そしてバラン将軍。
事の詳細の説明を終え、ラミスはちょこんとその場に座り込んだ。そして真剣な面持ちで、バラン将軍と話し始める。
「バラン将軍の率直な意見を、お聞かせ願いますわ。」
ツインデール公国の叡知、とも呼ばれる公国の第三公女ラミス姫。そのラミス姫が放つ神算鬼謀の策略の数々は、幾度と無くラミスや公国の窮地を救って来たのは言う迄も無いだろう。
その天才とも言えるラミス姫の頭脳は。いや、この大陸一の卓越した灰色の脳細胞は……。
既に、あの豚王を倒す勝利の方程式を確率していたのである。
……だがそれは、決して確実とは言い難い物であった。
「バラン将軍。貴方は私の為に、そしてツインデール公国の為に。……死ぬ覚悟は、ありますか?」
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