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剣も魔法も全く使えない姫なので、物理〈拳〉で乗りきるしかありません!【プリンセス無双】さあ、優雅〈エレガント〉に参りますわよ!!  作者: 魔神
王の名を持つ獣編

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140/164

第140話 「人数が合いませんわ」

挿絵(By みてみん)

かぐつち・マナぱ様より頂いた、挿し絵を24話に追加致させて頂きました。

ありがとうございました。

(。・_・。)ノ ます♪

後書きにも、もう一枚ありますので。

ご覧下さいませ。

( ・∇・)ぺこりんこ


「……ほえ?」

おかしい。

復活したエインフェリア達を背に、くるりと回り。意気揚々と扉に向かい、歩みを進めるラミス姫様だが……。

その背後に居る人数が、三人である事に少しの違和感を覚えた。


「……はて?」

ラミス姫に宿る神々の力"蘇生の力"は、ここ最近その効力を増しており。前回黄泉返らせたエインフェリアの数は、確か四人だった様な?と、姫は頬に手を添えながら首を(かし)げる。


……四人。

そう、それはツインデール公国が誇る四人の精鋭達(せいえいたち)

一人、ギリアム隊長。

二人、ゲッペルス隊長。

三人、ゴライアス隊長。

そして、ユリフィス少年の計四名である。


……しかし。

「……おや?」

三人しか居ないのである。どうしてなのだろう?と、不思議に思うラミス姫様。数が増える事はあっても、減る事はあまり無かった為疑問が頭を過る。

……そう言えば確か、以前にも数が減った時がある事をラミス姫は思い出していた。

その時は確か──。


「えーと。」

人差し指をぴんと立て、可愛く首を傾げ。何やら必死に思い出そうとするラミス姫様だが。

……とりあえず念の為、復活した三人の確認から始めてみる。……念の為ね。


「えーと、ユミナさん!」

──ズバーン!

と、得意げにユミナに(ゆび)()すラミス姫様。

「はっ、はい!!」

「……えっ、あれ?」

何時(いつ)も元気一杯のユミナは、今日も姫様に元気良く返事をする。生き返った後の為、多少混乱気味のユミナだが。ラミスもまた、ユミナが居る事に困惑し戸惑っていた。


……気を取り直して。

「えーと、お次はユリフィス君!」

──どーん!

ラミスは誇らしげに自信満々の笑みを浮かべながら、腰に手を当ててユリフィス少年を指差す。

「は、はい!」

こちらも元気良く返事をする、ユリフィス少年。やはり同じく、この状況に驚き戸惑っていた。

……ユリフィス少年は居る。しかし、何故この場にユミナが居るのか?それが、ラミスには理解出来なかった。それに今まで、復活していた筈の隊長達は一体何処へ?

ラミス姫に宿る神々の力が、弱まったとでも言うのだろうか……。

「…………。」


疑問は絶えないが、とりあえず最後の一人を確認してみるラミス姫様。

「えーと、最後の一人は!!」

──ばばん!

意気揚々と、その者に指を指すラミス姫様なのだが……。

「えー、あれ?」

…………。

ラミス姫様の、お目々(めめ)が点になっていた。


「誰?」

いや何方(どなた)かしら?うん、知らない人が居る。はい、全く存じ上げ無い人が居ます。

「いや、誰?」

ラミスは初めて見るその人物に、ぽかんと口を開け呆然と立ち尽くしていた。


……見た感じ、中年のおじ様なのよねー。うーん、あれ?でも何処かで見た記憶が……?いや、うーん。無い事も無い様な、ある様な……。

とラミスは瞳を閉じ、頭を抱え考え込んでいた。

……そう、ラミスはその人物を知っているのである。ラミスは、城に居る人間の顔と名前を全て把握していた。そしてその中から、()()()以外の人の顔と名前を全て思い出す。

……()()()以外の人、全てを。

何故なら、その人物は──。


「……ま、まさか。」

()()()の名前が頭を過ったその瞬間、ラミスの目からは大粒の涙がぽろぽろと溢れ出る。


「……逢いたかったですわ。」

そう、その人物とは。ラミス姫が、いやこの公国の人全てが……。


(わたくし)は貴方の復活を、ずっと待ち望んでいましたわ。」

……ずっと待ち望んでいた、人物なのだから。


「……ずっと、この刻を。」

──公国が誇る最強の将軍を。


「……この刻が来る瞬間を、待ち望んでいましたわ。」

ラミスは涙を流し震える手で涙を拭い、そして……。

その名を呼んだ。



「バラン将軍。」

挿絵(By みてみん)

131話のゲイオス戦に、こちらの挿し絵を追加致させて頂きました。

かぐつち・マナぱ様ありがとうございました。


皆様方、これからもラミス姫の活躍を応援よろしくお願いいたします。

( ・∇・)ぺこりんこ

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