第140話 「人数が合いませんわ」
かぐつち・マナぱ様より頂いた、挿し絵を24話に追加致させて頂きました。
ありがとうございました。
(。・_・。)ノ ます♪
後書きにも、もう一枚ありますので。
ご覧下さいませ。
( ・∇・)ぺこりんこ
「……ほえ?」
おかしい。
復活したエインフェリア達を背に、くるりと回り。意気揚々と扉に向かい、歩みを進めるラミス姫様だが……。
その背後に居る人数が、三人である事に少しの違和感を覚えた。
「……はて?」
ラミス姫に宿る神々の力"蘇生の力"は、ここ最近その効力を増しており。前回黄泉返らせたエインフェリアの数は、確か四人だった様な?と、姫は頬に手を添えながら首を傾げる。
……四人。
そう、それはツインデール公国が誇る四人の精鋭達。
一人、ギリアム隊長。
二人、ゲッペルス隊長。
三人、ゴライアス隊長。
そして、ユリフィス少年の計四名である。
……しかし。
「……おや?」
三人しか居ないのである。どうしてなのだろう?と、不思議に思うラミス姫様。数が増える事はあっても、減る事はあまり無かった為疑問が頭を過る。
……そう言えば確か、以前にも数が減った時がある事をラミス姫は思い出していた。
その時は確か──。
「えーと。」
人差し指をぴんと立て、可愛く首を傾げ。何やら必死に思い出そうとするラミス姫様だが。
……とりあえず念の為、復活した三人の確認から始めてみる。……念の為ね。
「えーと、ユミナさん!」
──ズバーン!
と、得意げにユミナに指を指すラミス姫様。
「はっ、はい!!」
「……えっ、あれ?」
何時も元気一杯のユミナは、今日も姫様に元気良く返事をする。生き返った後の為、多少混乱気味のユミナだが。ラミスもまた、ユミナが居る事に困惑し戸惑っていた。
……気を取り直して。
「えーと、お次はユリフィス君!」
──どーん!
ラミスは誇らしげに自信満々の笑みを浮かべながら、腰に手を当ててユリフィス少年を指差す。
「は、はい!」
こちらも元気良く返事をする、ユリフィス少年。やはり同じく、この状況に驚き戸惑っていた。
……ユリフィス少年は居る。しかし、何故この場にユミナが居るのか?それが、ラミスには理解出来なかった。それに今まで、復活していた筈の隊長達は一体何処へ?
ラミス姫に宿る神々の力が、弱まったとでも言うのだろうか……。
「…………。」
疑問は絶えないが、とりあえず最後の一人を確認してみるラミス姫様。
「えーと、最後の一人は!!」
──ばばん!
意気揚々と、その者に指を指すラミス姫様なのだが……。
「えー、あれ?」
…………。
ラミス姫様の、お目々(めめ)が点になっていた。
「誰?」
いや何方かしら?うん、知らない人が居る。はい、全く存じ上げ無い人が居ます。
「いや、誰?」
ラミスは初めて見るその人物に、ぽかんと口を開け呆然と立ち尽くしていた。
……見た感じ、中年のおじ様なのよねー。うーん、あれ?でも何処かで見た記憶が……?いや、うーん。無い事も無い様な、ある様な……。
とラミスは瞳を閉じ、頭を抱え考え込んでいた。
……そう、ラミスはその人物を知っているのである。ラミスは、城に居る人間の顔と名前を全て把握していた。そしてその中から、その人以外の人の顔と名前を全て思い出す。
……その人以外の人、全てを。
何故なら、その人物は──。
「……ま、まさか。」
その人の名前が頭を過ったその瞬間、ラミスの目からは大粒の涙がぽろぽろと溢れ出る。
「……逢いたかったですわ。」
そう、その人物とは。ラミス姫が、いやこの公国の人全てが……。
「私は貴方の復活を、ずっと待ち望んでいましたわ。」
……ずっと待ち望んでいた、人物なのだから。
「……ずっと、この刻を。」
──公国が誇る最強の将軍を。
「……この刻が来る瞬間を、待ち望んでいましたわ。」
ラミスは涙を流し震える手で涙を拭い、そして……。
その名を呼んだ。
「バラン将軍。」




