表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
剣も魔法も全く使えない姫なので、物理〈拳〉で乗りきるしかありません!【プリンセス無双】さあ、優雅〈エレガント〉に参りますわよ!!  作者: 魔神
王の名を持つ獣編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

136/164

第136話 「お紅茶のお時間〈ティータイム〉は、大切ですわ」

──ドスン。

既に動かなくなった、姫の見るも無残なその姿に。ガルガは絶望し、がっくりと膝から崩れ落ちる。


──ズシン!

そして大地が揺れる程の、その足音と共に"奴"が姿を現す。

「ブヒィ!!」

初めて見る、その古の怪物"(オーク)"の姿に。味方の兵士達は恐怖に震え上がり、皆言葉を失った。

「…………。」

隊長であるガルガもまた、その怪物の異様な姿に怖れ恐怖に(おのの)いていた。

「何だ、あの化け物は……。」


──むくり。

「あれは、豚さんですわ。」

「はっ!?姫様?……え、あれ?」

豚さんだけでは説明にすら、なっていないのだが……。それはまあ、置いといて。

(つい)先程まで、まるで死んでいたかの様に、無残な姿で横たわっていた筈のラミス姫様。それがいきなりむくりと起き上がり、ガルガはその平然と話す姫君の姿に酷く驚き、自分の目を疑わざるを得なかった。

「姫様、お怪我は……。ん?」

ラミス姫の容体を心配するガルガ隊長だが、ラミスの姿を見て更に驚く事となる。

「姫様……。か、髪が!?」

黒く焦げていたラミスの髪は、既にすっかりと元の美しい姿を取り戻していた。その焼け(ただ)れていた筈の皮膚も、じわじわとゆっくり回復して行き、元の姿へと治り戻っていく……。

「これくらい、すぐに治りますわ。」

……恐るべし、神々の力"再生の力"である。


「……は、はあ。」

ただただ、唖然とする事しか出来ないガルガ隊長。

「あの程度で、あばあばするなんて……。(わたくし)もまだまだですわね。」

と頬に手を添え、ため息混じりにそう(つぶや)くラミス姫様。


──ズシン!

「ブヒィ!!」

のんびりと話をしているラミス姫とガルガ隊長の前に、(オーク)が立ちはだかり。その棍棒を、ガルガ隊長目掛けて振り下ろす。

「なっ!?」

──ブォン!!

何とか間一髪で、それを回避するガルガ隊長。ガルガはすぐに身を(ひるがえ)し、その(オーク)の巨体に鋭い一撃を叩き付ける。

──ガキィン!

鈍い金属音が響き、ガルガが放った渾身の一撃は。その強固な外皮に阻まれ、(オーク)の体には傷一つ付ける事が出来なかった。

「なっ、バカな……!?」

そのあまりの強固さに、渾身の一撃を喰らっても微動だにしない、(いにしえ)の怪物の恐ろしさに……。

ガルガは恐怖に震え、その場から動く事が出来なかった。

──ドゴォ!!

怪物は大きく振りかぶり、全力の一撃をガルガ隊長に叩き付ける。

──ぴょーん。

両手でガルガ隊長を持ち上げ、天高く飛び上がりその場を脱出するラミス姫様。

「…………。」

ガルガはまたもや唖然とし、一言も喋る事が出来なかった。ガルガは、このツインデール公国でも。一、二を争う程の巨体の持ち主である。その巨体を軽々と持ち上げ、あまつさえ飛び上がる姫君に。ガルガを始め味方の兵士達も皆、唖然としぽかんと口を開けていた。

──すたっ。


「あの豚さんは強敵ですわ。豚さんのお相手は(わたくし)に任せて、皆様は紅茶(ティー)時間(タイム)でも楽しんでらして?」


そう言って、ラミス姫は(いかずち)の如き速さで駆け抜け(オーク)に一撃を放った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ