第115話 「さあ英雄達よ、神の御業〈みわざ〉で今こそ甦るのですわ」
まあしかし、何はともあれ。
多少の謎は残されたものの、今まで分からなかった神々の力の事が詳細に分かり、新たな神々の力も知る事が出来た。これによりかなり戦略の幅が広がる事だろう。
そして、ラミスの新たな力。
"蘇生の力"。人を生き返らせる神の力。
この力を駆使すれば、いつの日か公国を取り戻せる日が来るのかも知れない。
そしてラミスは翌日の戦いを終え、再び牢の中へと戻される。
…………。
ラミスは何時もの様に大の字で寝転がり、天井を見上げながら姉の言葉を思い出していた。
『蘇生の力は、誰でも生き返らせる訳じゃないみたい。ラミスより強い人、生命力の高い人程。生き返らせる為に必要な魔力数が高くなり、生き返らせる事が困難になるみたいね。』
……出来ればバラン将軍の様に、出来るだけ強い人に生き返って貰いたい所である。
「そうね、とりあえず本当に生き返るかどうか。ユミナさんを生き返らせてみましょう。」
ラミスはおもむろに立ち上がり、口元に手を当て何やら思案をし始める。
…………。
「……悩みますわ。ここはとても大事な事ですもの、慎重に決めたい所ですわ。」
ラミスはすっと手を上げ、そしてポーズを決める。
「こう!……いや、こうですわ!」
……?
「そして……こう!!」
……姫様?
「そしてー。」
……くるくるくる。
「こう!!」
──バーン。
くるくると回りながら、様々な決めポーズを探るラミス姫様。
「くるくるくるー♪」
……あのー姫様?一体何をなさっておいでなのです?
「……このラミス。例えどんな時も"正義"に、そして"優雅"に振る舞わなければなりません。そう、それが闘いの最中であろうともです。常に"絢爛"に、そしてびゅ、びゅ"美麗"にっ!それでこそ、ラミスなのですわー♪」
……はい、存じております。して、その踊りは一体?
「……ふふふ。では行きますわよ!特とご覧遊ばせ!!」
ラミスは天高く手を掲げ、ポーズを決めた!
「さあ、今こそ甦るのです。私のエインフェリアよ!!」
──バーン!
──ぽよん。
「ユミナさんが、出てきましたわ。」
「えっ?ええっ!?姫様っ?……えっ、ここ何処!?私、何でこんな所に。」
かくかくしかじか~しかのこのこの~と、説明するラミス姫様。
それからラミスは、幾度と他に誰か生き返るのでは無いか?と、試したのだが。ユミナ以外の人間が、生き返る事は一度も無かった。
……残念。




