第111話 「クエスチョンですわ」
なんとかラミスの機転で、事なきを得た姉妹四人。そして話を少し戻す。
ラミスは姉ナコッタの話の中で、少し聞き覚えの無い言葉があるのが気になった。
見習い魔術師、ランク、そしてレベル。
…………。
……?
「ランクF?見習い魔術師?……えっ?レベル3?」
ラミスの頭の上に沢山の"?"マークが浮かび上がる。
「ふふふ……。ラミス、説明するわね。それはその人の強さや、強さの段階を表す物よ。例えば、クリストフ将軍ならランク"S""剣聖"の称号を。グレミオならランク"B""剣豪"の称号等。こんな風に将軍や兵士は皆、ランクや称号そしてレベルと言った概念があるの。」
…………。
「……はあ。」
あまり良く理解していなさそうな、ラミス姫様。
「……剣聖や剣豪等は、良くお耳にしますわね。」
「紙に書いて、説明した方が分かりやすいかしら?とりあえず、剣士なら強さはこんな感じよ。」
ナコッタは紙に書いて、皆に見せた。
「剣聖」ランクS レベル40以上
「ソードマスター」ランクA レベル30以上
「剣豪」ランクB レベル20以上
「上級剣士」ランクC レベル15以上
「中級剣士」ランクD レベル10以上
「下級剣士」ランクE レベル5以上
「見習い剣士」ランクF レベル1以上
……なるほど。
「では、他の人の力も見てみましょうか。とりあえず私から行くわね。」
『ナコッタ』四神──の、法術の力を宿す。
「見習い魔術師」ランクF レベル3
「守護の力」
対象を一人、外敵より守護する障壁を作り出す。
「鑑定の力」
対象の強さや力を識る事が出来る。
「転送の力」
対象を遠くに転移させたり、近くに引き寄せたり出来る。
「伝達の力」
遠く離れた人物とも、会話が出来る。
「……私の神々の力は以上よ。更に、二つ増えたわ。」
四つも?二つも増えている!?「転送」と「伝達」……。かなり便利な力である。残念ながらあの豚王を倒す事のできる力では無いものの、これによりかなり戦略の幅が広がるのは間違い無い。
「……では、次はラミスね。」
……どきどき。
「来なさい。」
──キリッ。
『ラミス』四神──の力、蘇生の力を宿す。
「拳豪」ランクB レベル29
「蘇生の力」
死者を黄泉返らせる事が出来る。
「再生の力」
自らの怪我や病を、徐々に回復させる。
「え?拳豪?レベル29?……凄いわね、ラミス。」
……拳豪かぁ。
と、自分はまだまだだと少しがっかりするラミス姫様。……それと。
「……でも。新しい神々の力はありませんでしたわね、残念ですわ。」
……?
「……あら?」
ここで姉ナコッタが、何かに気が付く。
「……え?これは、一体どういう事なの?」
「どうなさいましたの?ナコッタお姉様。」




