表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ラケッティア! ~異世界ゴッドファーザー繁盛記~  作者: 実茂 譲
カラヴァルヴァ ギデオンと〈街の中〉編
1204/1369

第十二話 聞き込み、家主の話。

 はあ。

 確かにディアスさんはうちの店子です。

 借り始めたのは去年の十一月ごろ。


 よく覚えてますよ。

 このあたりは魔法使いがたくさん住んでるでしょ?


 ディアスさんは夜中に奇声を上げたり、爆発したりしませんでしたからね。

 いい店子です。

 それがあんなことになって。残念なことです。


 菜園?


 ディアスさんは菜園は借りていませんよ。

 そもそもわたしも貸していませんし持ってもいません。


 このあたりの畑や庭で育てるのは魔術の材料になる怪しげな薬草ですよ。

 冬ニンジンなんて、まともな野菜を育てたりしません。


 紙幣騒動のころのディアスさん?


 えーと。治安判事の助手さんに他人の商売をあれこれ言うのは気が引けるんですけど、でも、もうご本人も亡くなっていることですし。うん、話しても大丈夫そうですね。


 ディアスさん、盗品売買のようなことをしていたようです。

 扱っていたものが何かは具体的には知りませんけど。


 でも、かなり稼いでいたようですよ。

 お家賃はもう半年先の分までもらってます。


 ひょっとすると、宝石を取り扱っていたのかもしれませんね。


 十日前くらい前、赤い石のはまった指輪を誰かに渡しているのを見たんです。

 そういう立ち聞きみたいなことはしたくなかったんですけど。


 相手ですか?

 そうですね。盗品に関わるような人には見えなかったです。

 若くてハンサムで、貴族さまみたいな方です。


 ウンベルト二世伯爵?


 どうでしょう。似てる気もしますし、似てない気もしますね。

 わたしははっきり伯爵の姿を見たことがないんです。


 あの人たちをじっと眺めたりしたら、大変です。

 わたし、八分の一、エルフの血を引いているんです。

 あの人間至上主義の人から見ると、わたしは泥水を頭から浴びせられても仕方がない存在らしいですよ。


 嫌な人たちです。


 ディアスさんの名前ですか?

 一度きいたんですけど、えーと。


 デゼルヴァロ? ああ、そんな名前でした。


 デゼルヴォロ? そう言われると、そっちが正しいような。


 ちょっと分からないです。

 娘さんにきいてみたら、どうですか?


 娘さんはまだ、あの家に住んでいますから。

三年前    ディアス、カラヴァルヴァに居住

四か月前   【矛盾】ディアス、魔術師街に家と菜園を借りる

紙幣騒動時  【矛盾】ディアス、来栖ミツルにニンジンを納品

三週間以上前 【矛盾】ディアス、妖精取引所に姿をあらわす

       【矛盾】ディアス、川に沈められる(橋守の検死)

17日前   ウンベルト二世失踪

       【矛盾】ディアス生存(妖精取引所使用人の証言)

10日前   【矛盾】ウンベルト二世、指輪を呪術師に持ち込み、飲み込む

7日前    【矛盾】ディアス、針金職人から錆びた針金を買う

6日前    【矛盾】ディアス、川に沈められる(カルボノの検死)

       【矛盾】ディアス、針金職人と最後に会う

3日前    ウンベルト二世帰宅

       ディアス、死体で発見

         →死体には大量の針金が飲まされていた

         →【矛盾】死体は指輪を所持か?

         →【矛盾】死体の顔にびっしりと穴(川のなかでつけられた)

         →【矛盾】顎が百八十度開いていた

       エビ漁師、死体の指輪を売る

現在     ウンベルト二世出かける

1日後    呪術師〈まわる蛇〉死体で発見

        →死んだ時刻は午前三時

        →錆びた針金を飲まされて殺害

        →最後に会ったのは青い帽子の男

       貸出娘、指輪を所持



 デゼルヴァロ・ディアス=デゼルヴォロ・ディアス?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ