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ラケッティア! ~異世界ゴッドファーザー繁盛記~  作者: 実茂 譲
カラヴァルヴァ ギデオンと〈街の中〉編
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第二話 聞き込み、妖精取引所の使用人の話。

 ここじゃ妖精を取引している。

 妖精の涙が不老不死の秘薬の原料の原料の原料だとか、あと自分の庭にかわいい妖精を飛ばしたいとか言う成金もいる。踊り食いしたやつもいたって話もある。

 つまり、まあ、需要があるのさ。


 ただ取引の内容がかなりマズいものもあるから、妙な前科マエのあるやつもいる。


 伯爵が失踪したことはおれたちもちょっと慌てた。


 伯爵はそこらの〈商会〉並みにマズいことしてるから、それこそ、マズいのさ。


 あの最近、出入りしていたってやつ。

 確かに伯爵が失踪する前は毎日通ってた。失踪してからも。

 三週間前からかな。いや、もっと前から。


 ああ。毎日、さらわれた伯爵のことを話していた。

 でも、それは変なことじゃないな。

 ここは伯爵の本拠地みたいなもんだ。

 みんながみんな伯爵の身を案じたさ。


 ひょっとすると抗争が起きたのかもしれないからな。


 あいつが伯爵をさらった?

 その話は嘘っぽいな。


 確かにあいつは盗賊団とつながりがあるらしかったが、故買屋だよ。

 故買屋がみな、そうなように、荒っぽいことからは遠ざかってる雰囲気だった。

 そもそも故買屋が凶悪なら、自分で強盗して自分で処分するさね。


 そいつについて、何か知らないかって?


 そういやあ、いつも生き別れた娘の話ばかりしていたな。

 孕んだ女としばらく暮らしてたが、女が子どもを連れて消えた。

 それこそ世界じゅうで一万回きいたような話だよ。


 いつもメソメソっていうか、グズグズっていうか。

 見ていて、パッとしないし、うだつも上がらない。

 そんなやつがどうしてここに来るのか分からなかった。


 どうせ治安裁判所にも知られてることだから、どうも思わないが、ここにはカタギっぽいやつは少ない。


 あいつは故買屋だったが、ここに出入りしてる本物のカタギよりもカタギっぽかった。

 カラヴァルヴァじゃ、そういうやつは珍しいよな。


 ん? そいつの名前?

 ディアスだよ。デゼルヴァロ・ディアス。

 名前だけはいかつい。


 いま、どこにいるって?


 もう死んだよ。

 伯爵が見つかった日にエスプレ川で水死体が上がったんだ。

三週間以上前 ディアス、妖精取引所に姿をあらわし始める

17日前   ウンベルト二世失踪

3日前    ウンベルト二世帰宅

       ディアス、死体で発見

現在     ウンベルト二世出かける

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