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第十九話 ラケッティア、ハッピーニューイヤー。
「ハッピーニューイヤー!」
バタン!
ドアが閉まる音。
え、誰だと振り向くと、そこには――
「新年おめでとう。ところで、カエルの合唱団はどこかな?」
「新年おめでとう。今年も楽しく世のなかをひっかきまわせますように」
――アレクサンダル・スヴァリスとアウグスト・セディーリャが立っていた。
見るとふたりのマントには銃弾で開けた穴と短いクロスボウの矢が刺さったままになっている。
このふたりが外で絶賛革命中の〈清貧派〉に何か言ってはいけないこと、やってはいけないことを仕出かしたのは明らか。
まさにトラブルが転がり込むってやつ。
今年も波乱の一年になりそうだ。
カラヴァルヴァ 大晦日の一日編〈了〉




