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終末は突然に  作者: SMILE
47/48

別れ


ーーー


「生きていたら・・・毎日夜の7時に・・・電源を入れて・・・すまない・・・」

 これで無線が切れた。こちらの電源が無くなってしまったようだ。

「もしもし!広一!?返事して!嫌よ!返事してよ!」

 葵は泣きながら無線機に話しかけている。

「葵さん、電源が切れてしまっているよ。」

 葵は泣き崩れてしまった。

「そんな・・・連れてってくれるって約束したじゃない・・・」

 しばらく誰も話しかける状況じゃなかった。そして無言でトレーラーに入っていった。

「葵さん、大丈夫かしら?」

「ずっと彼と一緒だったみたいだしね。」

「落ち着くまでそっとしておいた方がよさそうだね。」


 一時間程したら目を赤くした葵が出てきた。手にはボウガンを持っていた。

「これから私、彼を探しに行くわ。」

「え?いや無理だよ、暗くなってしまったし、外は今危険な状態だ。」

「明日明るくなったら捜索隊をつくって捜索するから今日は待ってくれ!」

「そんな事言ってられないわ!」

「ダメだ!今出たら君まで危ない!」

「く・・・」

 葵は諦めたようだった。(広一・・・)

「葵さん・・・」

 そういって孝夫は葵の手からボウガンを手渡してもらった。

「とりあえず朝まで待ってみましょう。戻ってくるかも知れないし。」

 優花に促されトレーラーの中に入っていった。葵はベットで横になったが心配で余り寝れなかった。


 朝になったが広一は戻って来なかった。捜索隊を結成し、葵達が乗ってた車を使って捜索に出たが見つからなかった。

 ただ無線を使用したと思われる場所は倒れたゾンビが大量にあり、ゾンビの血かわからないが付近は大量の血が確認できた。

 その日も広一は戻らなかった。指定された時間に無線を使ったが応答は無かった。(広一、私どうすれば良い?貴方がいないと何処に行けば良いかもわからないわ・・・)


ーーー


「リーダー、避難所の奴等の動きが変ですぜ。」

「なんだって?」

「外に1台出ていったかと思ったら歩いて戻って来やがったみたいで。人も減ってるみたいです。」

「これはチャンスか?」

「行きますか?」

「お前ら、避難所を囲め、合図したら火炎瓶を投げろ!」

「わかりました!」


ーーー


「今日も戻って来なかったわ。」

「葵さんどうしますか?まだ待ちます?」

「当たり前でしょ?絶対戻って来る。死んだと決まってないし。」

「そうですね。」


 その時だった、

「火事だー!」

「こっちからも火がー!」

 入り口で銃声が聞こえた。

「なんだお前ら!うわ!」

「敵だ。武器を持ってるぞ!中に入れさせるなー」

 銃声が鳴り響く。火の手もいたる所で上がっている。

「何があったの?」

「盗賊が来たらしい。この火もヤツラがやったんだ。」

 市長が外に出てきた。

「この火事ではここはもうダメです。消防も機能していない今私達に消す手段がありません。」

「ではどうすれば?」

「乗って来たバスに乗って移動するしかありません、荷物は最小限で隊長の指示に従って避難して下さい。」

 それを聞いた住民は一斉にバスに乗りに行った。

「君達はどうする?」

 隊長が話しかけてきた。

「私達は予定通り伊東に向かいます。彼と伊東に行くって予定で話しはしていましたし。」

「そうか。気を付けて。お互い運が良ければまた会おう!」

 隊長はバスに乗り、バスは走り去った。

「私達も急ぎましょう!」

 (広一、伊東で待ってるわ。絶対来てね!)

 葵達が乗った車も走り去った。


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