武器の調達
「先程はありがとうございました。」
「いえいえ、目の前で襲われていたのでつい。」
(俺のバカ。助けるだけならまだしもまさか一緒に行くことになるなんて・・・)
「大丈夫ですか?」
「あ!いや大丈夫ですから。」
(この人の話が事実だとしたら政府は機能していないんだろうか?でも東京の話を葵からも聞いているし。議事堂がやられたら政治家達も殺されてるか。)
「これからの予定ってあるのですか?」
「とりあえず南下して海に出て船にでも乗ろうかと思って。海なら奴等はいないですし。島にでも着けたら尚良いかなって。島なら奴等もいたとしても退治すれば平穏な生活が出来るかと。」
「自分達は仕事は農家でしたから、もしかしたら自給の際に力になれるかも?」
「ホントですか?ありがたいです。」
(以外な所で人材が!これなら土地があれば何とかなるかも?)
「ここから太平洋だと少し距離がありますね。何か武器が必要になりますね。」
「そうなんですよ。手持ちの武器も使い込んで来てボロボロになってしまって・・・何処かに何かありませんか?」
「そうですね・・・ここら辺は田舎だから大きな店も無いし・・・あ!あそこならもしかして。」
「何かあります?」
「町に博物館があるんですよ。あそこになら刀とか展示してあった記憶があります。」
「ホントですか?なら行ってみる価値はありそうですね。」
孝夫の道案内で目的の博物館に到着した。
やはりと言うかゾンビはいる。問題なのは入り口が壊されて開いているという事だ。
「もしかしたら先客がいたらもう無いかも知れないですね。」
「どちらにせよ入ってみましょう。」
車を止めトレーラーに向かう。
「道中話しは出来たかな?」
「ええ、ばっちりよ。でもどうしたの?こんな所で車を止めて?」
孝夫の話を4人に説明した。
「そういう事ね、武器があった方が心強いし。OKよ。」
「私達も大丈夫よ。」
「力の見せ所ってやつだね。」
「本物の薙刀あるかしら?」
子供達はやる気だ。
「もし可能なら優花さんには車に残っていて欲しいのですが?万が一の時に車を動かせないと大変なので。装甲は強化してますのでちょっと位なら余裕ですよ。経験済みですので。」
「は、はい。1人は不安ですので早めに戻って来て下さいね。」
5人は博物館に向かって歩いて行った。離れないようして歩いて真ん中に葵を置きボウガンを構える。残りで四方をかため歩いていく。孝夫は広一が使っていた鉈を渡した。子供2人は木刀と薙刀だ。実際建物に入る前に数体奴等がいたが2人の攻撃で怯ませる事が出来、その間にバールと鉈を使い頭を打ち止めをさした。
「やっぱり木刀だと倒すのに時間がかかるぜ。」
「私なんか練習用のしか無いから刃先も何もないわ。」
確かに囲まれると時間がかかるかも知れない。
博物館の地図を見る。ここは年代順でルートが出来ているようだ。
「戦国時代まで行かないと刀が無いかもですね。」
「行きますか。奴等見えない死角とかにいますから気を付けて下さい。後、倒れているからって近寄らないで。動き出す事がありますから。」
とりあえず経験上の事を伝えた。
縄文時代からスタートしているようだった。ここには目ぼしい物は特に無かった。縄文時代の藁の住居が展示してある所から急にゾンビが出てきた。
「うお!」
孝夫に襲いかかる。栄太が木刀で叩くが離れない。
「どいて!」
そう言うと葵は矢を放った!
矢は孝夫の顔の横を通り過ぎゾンビの顔に当たる。何とか仕留める事が出来た。
「言われたばかりで申し訳ない。」
孝夫はばつが悪そうだ。
「大丈夫ですよ。気を付けましょう。」
そう言って歩きだす。
平安、鎌倉と進んで行く。途中奴等がいたが冷静に対処していく。(人数が多いとこういう時は安心だな。)
やはり先客が居たのかケースのガラスは割れ中の物が何個か無くなっている。
戦国時代の所に来た。何個かまだ残っていた。
「良かった。父さん、これって貰って行って良いの?」
「本来は泥棒だが今はそんな事も言ってはいられないだろ。いつか返す気持ちは持ってなさい。」
栄太は刀、祥子は薙刀、それぞれ手にいれていた。
「俺は・・・決めた。」
広一は懐刀にした。
「そんな短くて良いの?」
栄太に言われる。
「使いなれた長さがいいんだって。」
「そんなもんか。」
ふと孝夫を見ると手斧を持っていた。いつの間に。
「ああ、これか?弁慶の武器の説明のコーナーであったぞ。」
嬉しそうに言っていた。
「私も懐刀にしよ。基本的にはこれだし。」
葵はボウガンを構えた。(すっかり葵の物になってるし。)
各々念の為に予備としての武器を何個か持って博物館から出てきた。建物から出て車に向かおうとしたら奴等に車が囲まれていた!
「母さん!」
そう言うと孝夫は走り出した。先程手に入れた手斧で頭を真上から切り落とした。
頭がスイカのように割れ脳が飛び散る。
それを見て子供2人も走り出した。
「はあ!」
栄太が刀を真横に切り、首が落ちた。首が無くなった身体は下に倒れ落ちた。
「いやぁ!」
祥子は薙刀で頭を突き刺す。見事に口から刃が入りパクパクした後動かなくなった。
「真剣て凄いな。俺の出る幕無し。」
事実奴等を残らず3人で退治してしまった。
「大丈夫か!」
孝夫は車内を見た。
「あなた、大丈夫よ。ホント、言われた通りこの車大丈夫だったわ。」
孝夫はほっとした顔をした。
「お目当ての物は手に入れられた見たいね。」
「ああ。」
そう言うと手斧を優花に見せた。
「急いで出発しましょう。」




