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終末は突然に  作者: SMILE
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新しい仲間

 あれから何件か牧場を見た。だが1件目と同じようにスタッフも牛もいなかった。

「宛が外れたかな?確かに牛用の柵はあった。でもあくまでもあの牛用の柵であって人のサイズじゃ無かった。あれじゃすぐに奴等に入って来られてしまう。」

「どうする?」

「やっぱり始めの予定通り島かな?伊豆諸島とか?」

「都心を迂回して神奈川静岡って事?」

「だね、今長野だし、山梨抜けて行こうかなって。あ、山梨温泉があるよ?」

「あーん、もう。温泉はもう結構よ。」

 前の伊香保の件を思い出したようだ。

「はは。残念だね。」

「もう。」

 清里の看板が見えてきた。

「清里か。もうこれからは新しい芸術とかってこの先出ないんだろうな。」

「新しいも何も文明すら危ういかも。」

「あれからずっと電気も来てないしね。始めは電線でも切れたのかと思ったけど違いそうだし。」

「東京から逃げる時に聞いたんだけど電気はダメ見たいよ。発電所がやられたらしいの。職員が死んでしまって止める人がいなくなってしまったからそのまま発電所が壊れたらしいわ。火力はともかく原子力のはダメ見たい。死の町って噂よ。」

「うえ。」

「あくまでも噂だけどね。ネットもないから人づてに聞いた話ししかわからない。もしかしたら大丈夫かも知れないし。でも変電所は奴等にやられて全滅みたい。東京はダメね。この目で見たから間違いない。」

「復興するにも奴等をどうにかしないとだしな。」

「コンビナートは火の海よ。千葉を走ってる時に真っ赤に燃えてるのが見えたから。」

「状況最悪だな。」

 (実際噂も当てにはならないが立証する事も今は出来ない。そういった場所を避けるのが賢明だろう。)

 向こうの方でゾンビ達が集まってる。

「誰かいるのか?」

「行くの?」

「ここら辺に建物無いし生存者だったら。」

「助けないんじゃないの?」

「立て籠ってるのと逃げてるのじゃ話しは別でしょうが?」

「へぇ、もっと冷たい人かと思った。」

「そうい目で見てました?」

「ちょっと。」

「へいへい・・・、車に集まっているみたいだ。」

 (6体か、何とかなる・・・かな。)

「ボウガン貸して。こっちに気づかれる前に仕留める。」

 ボウガンを受け取り狙いを定める。3体倒した所で気付かれた。

「後は援護よろしく!」

 そういって彼女にボウガンを渡し、鉈とバールで向かって行った。

 残りも倒し終わって車に近づく。彼女には付近を警戒してもらうように言った。

 中には親子らしい人物が4人乗っていて死を悟ったのか下を向いていた。広一はガラスをノックし、

「もう大丈夫ですよ。」

 そう声をかけた。中の人達は始め何が起こったわからず目を丸くしてこちらを見た。やがて落ち着いたのか車両から出てきた。

「助かりました。ガス欠になってしまい立ち往生している所を奴等に囲まれてしまって。」

「とりあえずは退治したから大丈夫ですよ。」

「ありがとうございました。」

「今まで何処にいたのですか?」

「私達はこの近くの避難所にいたのですが、老人の方が亡くなってしまい外に遺体を運んでたんです。そしたら急に動き出して運んでた人を襲ったんです。襲われた人はまた人を襲ってと一気に奴等が増えてしまったのです。何とか私達は車で逃げ出したのですがガス欠になってしまいましてこの有り様でした。」

「そうなんですね。」

「貴方達は何処に向かうのですか?」

「まだ決まって無いのですが、とりあえず南下して太平洋に出ようかなって。」

「もし良かったら、私達も連れていっては頂けませんか?避難所もダメになって行く所がなくなってしまいまして。自宅ももう奴等に入られてもう戻れない状態なんです。」

 広一は悩んだ。(食料も2人ですらギリギリな状態だし。行き場所も決まってない。大所帯になるとリスクも高くなる。)悩んでいたら後ろから女性の声が聞こえた。

「いいですよー、一緒に行きましょう。旅は道連れって言いますからね。」

 (こら、この子はそんな呑気な!)葵は一緒に行く気満々だ。(しょうがない・・・)広一は腹を決めた。

「彼女もそう言ってますし、良かったら一緒に行きましょう。ただこちらも具体的な目的地は決まって無いんですけど。」

「ありがとうございます。」

「自分は佐藤広一、そっちが山本葵2人共23です。」

「自分は鈴木孝夫37です。そっちは妻の優花36才、娘の祥子16才の高2、息子の栄太14才の中3です。」

「よろしく。」

「よろしくお願いします。」

「よろしくね。」

「車ですけど、2台でもよいのですが、ガソリン等も考えると1台のがよいかと思って。車ここで置いておく事になりますがよいですか?」

「ええ、構わないです。」

「そしたら荷物をこっちに移動しましょう。奴等が来ると厄介だから急ぎましょう。」

 2人も手伝って荷物を入れていった。

「孝夫さんは助手席へ、後の3人は葵とトレーラーの中に。中で葵から使い方とか聞いて下さい。」

 それぞれ乗り込み出発した。

人数も今回から増えましたので再度確認の為に書いておきます。

佐藤広一 23

山本葵 23

鈴木孝夫 37

妻 優花 36

娘 祥子16才 高2

息子 栄太 14才 中3


大体発生時より約1ヶ月位たっている位です。


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