疑問
「車出すから援護お願い。」
「わかった。」
シャッターを開け、トレーラーを車に取り付ける。彼女のボウガンの腕も上がってきてるのかほぼ1発で奴等の脳天へ射ち込めるようになっていた。
「OKだ。取り付けできたから早く降りておいで。」
彼女が来るまでに先程射った矢を回収していく。(確かに矢の先端が欠けてるのがあるな。)
「お待たせ。」
「行くぞ。」
車は走り出す。
「目的地は決まった?」
「このまま長野に入ろうかと思う。」
「わかったわ。じゃあ向かいましょう。」
別荘地を後にした。別荘で今まで使用して空になった分の水も補給出来たし、別荘の持ち主の趣味か釣竿もあったのでもらってきた。
「ホント泥棒だな。」
広一は言った。
「そうね、トレーラーの中身なんか買ったもの無いしね。」
「そもそもトレーラーも買ったものでは無いんだけどね。食料位かな?買ったものって。」
「そいえばそうね。」
2人は笑う。
「こんな状態になってしばらく立つが、スーパーとかに売ってた生物とかはもうダメそうだな。いつまでもレトルトとか缶詰ばかりじゃな。」
「私は結構好きよ。」
「農家に行った時に米を持ってきたけどずっとある訳じゃないしな。やっぱり長期滞在できる場所見つけて自給しないとだな。」
「何か作った事はあるの?」
「・・・無い!」
「ふふ。ヤル気だけはあるってヤツね。」
「いいだろ?」
前方で車両が邪魔で通れなくなっていた。
「どうする?」
「1台だけだし、動かしてどかそう。」
広一は車を降りる。葵はサンルーフから身をのりだしボウガンで警戒する。
車両には人の気配があった。広一は手に鉈を取り警戒する。ゆっくりと車内を見る。どうやら事故が原因で死んでいるようだ。動かすのに邪魔だった為、広一は死体を車から出そうとした。その時、死体が勢いよく襲ってきた!
「マジか!?さっきまで動いてなかったのに!」
捕まれたまま後ろに押し倒される。
「くそ!倒れて力が入らない。」
鉈を何度も頭に当てる。が止まる気配がない。その時だった。
「パシュ!」
ゾンビの頭に矢が刺さり広一に倒れてきた。動かなくなったゾンビを横に放った。
「助かったよ。」
車で彼女はピースしていた。
エンジンは掛からなかったのでニュートラルにして、押してうごかした。通れる幅になったのを確認し車に戻った。矢も忘れず抜き取る。
「はい、サンキュ。」
矢を渡した。
「危なかったねえ。」
彼女はニヤニヤしてた。
「何か言うことあるんじゃない?」
「え?あ、助けて頂き有り難う御座いました。・・・これでいい?」
「OKです。」
(絶対さっきの状況狙ってたな。)
「さっきの死体って噛まれた跡はあった?」
「そういえば無かったかも?」
「噛まれなくてもああなるって事?」
「わからない。そもそも何が原因でゾンビが増えたかなんて全くわからないしな。」
(確かにさっきのヤツは死因は違ってそうだった。もしかしたら俺も死んだら奴等みたいになるって事か?)広一は不安になる。
「今後動かない死体も気を付けるって事だな。」




