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終末は突然に  作者: SMILE
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洋服選び

 ホームセンターで作業も終わり多少は車が強化が出来た2人は出発しようとした。

「これだと窓を開けても出られないね。」

「また変な事を。大丈夫だって、万が一もあるからサンルーフは開けときますから。」

 何だかよくわからない会話をしてしまった。

 そんな話をしながらシャッターを開け外に車を出そうとしたら周りをゾンビに囲まれていた。

「早く戻って来て!」

「あぁ!」

 シャッターを上まで上げる。(もう閉めるのは不可能だな。)急いで車に向かったが、ドアを開けようとしたらゾンビが先回りをしたかのように目の前に現れた。避けてボンネットの上に乗ってそのままサンルーフから車内に入っていった。

「ね、だからサンルーフから入るって言ったでしょ?」

 ハアハア息を切らせながら言った。

「フフ、確かにそうね。」

「さて行くか。取り付けた強度のテストも兼ねて行きますかな。」

 そう言って車を走り出す。バンパー前にくの字に付けた鉄板のお陰でゾンビ達撥ね飛ばしながらもかき分ける事が出来た。

「上々だな。さぁ行くぞ!」

 急いでホームセンターから抜け出した。

「危なかった。」

「半日位しかいないだけであんなに囲まれるなんて・・・危険過ぎるな。」

 (しかし何で判断してるんだろ?音か?確かに奴等音を出しただけで一気に集まって来たしな。後は何だ?匂い?いや、でもゾンビ自体血生臭い匂いしてるのに周りの匂いなんかわかるのか?)

「やはり一度身体を洗って確かめてみるか?」

「え?何か言った?」

「ゾンビが何で生存者を判断してるんだろ?て思ってさ。匂いの可能性もまだ確認した事ないからさ、一度洗って清潔にしてみるのも手かな?って。」

「ホント?ヤッター!」

 彼女の喜びは半端じゃなかった。

「どうせなら服も綺麗なのにして匂いを消したいな。」

 (ダメだ。寄る選択肢がどんどん増える・・・リスクが高すぎだ・・・でも。)彼女の顔を見る。(こんな世の中だ、多少は楽しい思いもないと可哀想だよな。)そう自分に言い聞かせた。

 途中ファストファッションのショップが出てきた。

「ここでも良い?」

「新しい服になるなら我が儘言いません。」

 彼女は目をキラキラさせていた。そのショップは流石に服だけだったのか荒らされた形跡はなかった。駐車場にゾンビが6体程いる位だ。例の如く車で当てて倒れた所で鈍器で仕留める。頭蓋骨が割れ中から小脳が見えたが裕一は見慣れてきていた。

 車を入り口のガラス扉の前にピッタリつけ、ガラスを思い切りハンマーで叩いた。数回やる内にガラスは割れ中に入れるようになった。

「車を割れた入り口の所に止めて壁代わりにしとしたからしばらくは大丈夫だ。早く選ぼう。」

「ハイ!」

 ここ一番の大きい声で返事をされつい苦笑いをしてしまった。

 広一は早々に服を選び終わって彼女を待っていた。(こういう時でも女性ってこうなのか?)そう思いながら外を警戒する。・・・来た!奴等だ。ガラスの割れた音なのか生きた人間の何かを感じ取っているのか、遠くから10体ほどゾンビがこちらに向かってきていた。

「早く!奴等が来た!」

「えぇ?ホントに?まだ選びきってないのに・・・」

 そう言うと葵は車の元に走ってきた。

「えへ、着替えちゃった。」

 そう言いながら彼女は全身を見せた。裕一は頭を抑えた。

「はいはい、良かったね。わかったから早く乗って!」

「軽いリアクション。はーい。」

 (この状況で着替える事が出来るなんて尊敬するよ。)向かって来たゾンビを避けながら車は走り去った。

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