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終末は突然に  作者: SMILE
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生存者

 工業地帯に入った2人は辺りを見舞わす。ゾンビはいるが囲まれる程では無い。工場は案の定大きい電動シャッターが閉まっていてどうにもならない。目的の駐車場だが、入り口がチェーンのタイプだった。

「ダメか?」

 そう思っていたら、1つだけ入り口が物タイプがあった。助かったと思いそちらに向かう。門を開けようかと思ったが数台の車が電気が付いているのが見えた。広一は警戒した。

「今門を開けるから早く入りな。」

 急にそう言われたかと思うと門が開いた。ここまでされて入らない訳には行かないので警戒したまま中に車を入れた。

「お前ら何処から来た?」

 初老の男性が言った。

「え、茨城からです。」

「大丈夫、取って食ったりしないから。武器を下ろしてくれ。」

 そう発言した男性は手に何も持っていなかった。広一は武器を下ろした。

「自分達は2人です。そちらは何人居るのですか?」

「私達は6人で3台だよ。知り合い通しで一緒に逃げて来たんだ。トレーラーか、良いの持ってるね。」

 そう言うと初老の男性は車を見る。

「途中のキャンピングカーのお店で拝借しました。」

 広一はばつが悪そうな顔で答えた。

「こんな時だし仕方ないんじゃない?お金なんて意味の無い世界になってしまったみたいだし。それより茨城はどんな感じなの?」

 広一は今まであった話を説明した。

「大変だったみたいだね。こっちはここの栃木だ。こっちも地方都市はダメだ。ゾンビが多すぎる。死にに行くようなもんだ。ここは工場ばかりで住宅なんて無いからね。ゾンビも余りいないみたいなんだ。いても少数だから何とか退治は出来るからさ。」

「入れてくれてありがとうございます。明るくなったら出発しますので。」

「そんな急がなくても良いのに?」

「あ、いえ大丈夫ですので。では失礼します。」

 そう言うとトレーラーの中に入って行った。中には葵が待っていた。

「大丈夫だった?」

「大丈夫だよ。逆に親切さが怖いくらい。」

「何それ?気にしすぎじゃない?確かに今まで会った人が酷かったってのもあるけどさ。」

「ともかく明るくなったら出発するからさ。早く寝よう。」

 そう言うと車内の電気を消した。

 外で小さい声で話している声が聞こえる。

「何で入れた?」

「しょうがないだろ、あのままだと門の鍵を壊されてた。」

「女がいたぞ?」

「いやいや、厄介事はゴメンだ。」

「万が一だけど、向かうは2人って言ってたから大丈夫だろ?数はこっちが多い。」

「明日早く出ていってもらおう。」

 そして夜が明けた。男性達は外にいる。トレーラーの扉をノックした。

「はい?」

「悪いが明るくなったんで早く出ていってはもらえないか?厄介事はゴメンなものでね。あんた達が来たお陰で周りにゾンビが増えてきてしまった。」

 確かに昨日より多い気がする。

「出ていくならゾンビを退治しないとな。」

 そう言うと男性は刃物を出した。

「早く一緒に手伝え。」

 男性達はフェンス越しに退治を始めた。

「はは、あいつは口が悪いからな。朝はいつもゾンビが増えているんだよ。生存者が何処にいるのかがわかるのかいつの間にか増えているんだよ。」

 そう言って男性はゾンビの頭にドライバーを突き刺した。

「だからあんたが悪い訳じゃないんだよ。ここは周りがフェンスだろ?数で囲まれると破られる恐れがあるからさ、早めの処理をしたいんだ。」

 昨日は暗いから気付かなかったが、よく見ると周りは倒したゾンビの山になっていた。

「とりあえず終了かな?御苦労さん。」

 辺りには動くゾンビはほぼ居なくなっていた。

「お前ら気を付けろよ。数は脅威だ、死人も生存者も。」

 なんとなく納得出来るセリフを言われた。門の辺りのゾンビをどかして車が出せる状態にはなった。

「頑張れよ。」

 ただこれだけ去り際に言われ会釈しここを去って行った。

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