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終末は突然に  作者: SMILE
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行き先は未定

 夜の襲来の為に急いで逃げ出した2人。そもそも危険な夜に外出するつもりもなかったので全くプランが無かった。

「やっぱり銃は反則だって。」

「こっちも銃を持つべきでしょうか?」

「日本だし、そう簡単に入手は出来ないだろうしね。しかも銃声って大きいからゾンビが集まってくるだろうし。葵が一緒に居た人達も銃を撃ってゾンビが集まって来た訳だしね。」

「あ、そう言われてみると。」

「手持ちの鈍器とかボウガンのが音がしないからその点は安全だけど、バールとかだと凄い勢いで殴らないと経験上、脳に達しないし。ゾンビ一体に時間かけられないし。まずは夜道は危険だから早く安全な所に車止めたいよ。」

「ですね。私、見付けてくれたのひさんで良かったと思ってます。」

「あ、そう?」

 そう言われたが裕一は言葉に詰まった。始めは彼女を避難場所に送って終了のつもりだったが、実際はあんなゾンビに囲まれれた避難場所までたどり着けなかった。しかもこんな世界になってしまった為なのか普通じゃない人も多い。さっきみたいに平気で銃を撃ってくる奴等がいる位だ。

「何処に行きますか?」

「え!?あ、そうだね、とりあえずさっきの家から遠く離れた所に行きたい。奴等は北に向かって走り去ってったから、もう北上はしない方が良いだろな。南は葵の話しはだと難しいだろうし。とりあえず海から離れて栃木群馬方面かな?なるべく都心部から離れて動きたいし。」

「高速は使わないの?」

「ダメだった。入ろうとしたら、インターの入り口で放置車両が邪魔で入れなかったくら。あの感じだと高速はダメそうな感じがする。」

 具体的な目的地も決まらないまま宛もなく走る。外は電気が止まっている為真っ暗だ。遠くの方まで暗い。何も無い。

「暗闇に吸い込まれそうな感じ。」

「確かに。暗すぎて迂闊に速度も上げられないし。神経ばかり使う。」

 道中ゾンビに遭遇はするが、囲まれる程ではないので避けながら進む。撥ね飛ばしても良いが万が一スリップや横転したら手詰まりになってしまうからだ。

「やっぱり海に向かってた時よりもゾンビが増えてる・・・いくら歩くのが遅くても数で囲まれたらヤバそうだな?奴等痛みを感じないから多少攻撃しても関係無いし。」

「ねぇ、あそこの倉庫みたいなのは使えない?」

「どうだろう?お、トレーラーも何とか入れそうなサイズっぽいね。」

 そう言うと車を中に入れて行った。車を入れてシャッターを閉めようとヘッドライトを切りエンジンを止めようとした所だった。暗闇の中車を叩く音がする。1ヵ所ではなく複数から。何事かと思い葵が手元にあった懐中電灯で外を照らした。

「葵、待った!」

 言うのが遅かった。灯り越しにゾンビ達が車を囲んでるのが見えてしまった。

「キャー!!そんな、さっき車入れる時には居なかったのに!」

「多分死角に居たんだろ!逃げるぞ!」

 そう言うとエンジンをかけてバックする。だがテンパっていたせいかトレーラーの事を忘れてしまっていた。バックする際に壁にトレーラーが勢いよくぶつかってしまったのだ。(まずい!)ぶつかった音に気付いたのか付近のゾンビを呼んでしまった。(くそ!落ち着け!)一度車を前に出し真っ直ぐ下がる。途中ゾンビを引いたのか車内が揺れた。出口が遠く感じた。

「出られた。行くぞ!」

 そう言うと急いで出発した。

「やっぱり元々入口が開いてた場所だったんだら慎重になるべきだったんだ。」

 ミラー越しに車の外装を見ると叩かれた後でベコベコになっていた。(ガラスがやられなかっただけ良しと考えた方が良いな・・・)2人は安堵の溜め息が出てしまった。

「次から勢いで入らないようにしよう。さっきのは慎重差が足りなかった。」

「電気を点けちゃってゴメンなさい。つ、つい・・・」

「大丈夫気にしないで、考えが甘かったんだよ。それよりも、早く休める所見つけないと。」

 (しかし停電ってのは不便だ。セキュリティのセンサーは使えないのは良しとしても、電動シャッターが使えないのは厳しい。店に入る事も、車庫に車を入れる事も出来ない。)そもそもトレーラー含めた長さを入れられる所がある家なんてまず少ないのだ。色々頭を働かせていた時にふと考えが出てきた。

「葵、近くに工場があるか確認してみて。職員駐車場ならもしかしたら門のタイプがあるかも?」

 そう言われナビを確認した。10キロ先に工業地帯がありそうだった。葵はナビを設定した。

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