土砂時計
「はぁぁぁぁぁっ!!」
レオは剣を両手で強く握り、マッドマンに斬り掛かった。マッドマンの胴体には深い切り口ができるものの、すぐに塞がり痛がる様子は全くない。
「“脳天割”!!」
カルマは走った勢いでマッドマンに飛び掛かり、頭部に長刀の刃を走らせた。しかし、二つに分かれた頭部はすぐに直り、攻撃を受けているようには思えない。
「レオさん!カルマさん!危ないっ!!」
「なっ!?」
その時、マッドマンが湿った砂地に右腕を入れ、レオとカルマの近くの泥を爆発させた。
「レオッ!!カルマッ!!大丈夫かっ!!」
オーグルは叫んだ。宙に舞った泥が全て地に落ちると、地面に手をついた泥まみれのレオとカルマがいた。
「ゲッホッ!ゲッホッ!!」
「ゲッホッ!!…チィッ、いてぇじゃねぇか、泥デブ人形ッ!!」
カルマは立ち上がり、マッドマンの腹部に長刀を突き刺した。マッドマンは左手を上げ、勢いをつけてカルマとレオを右側に殴り飛ばした。
「うっ!!……はがぁぁっ!!!」
「ぬぁっ!!」
飛ばされた二人は、地面に体を強く叩きつけられ、勢いよく転がった。
「…………うっ……っく!!」
「お前ら!!…テメェェェェッ!!!!」
オーグルは岩に刺していた槍を抜き、岩を蹴ると同時に、マッドマンに槍を投げた。槍に繋がった鎖が大きな音を立てて風を切った。
「喰らえっ!“アサルトシュート”!!」
槍はマッドマンの左の肩を貫いた。左腕が地面に落ちると、マッドマンはすぐに右手で鎖を掴み、オーグルを振り回して地面に叩きつけた。
「うぼぁっ!!」
「オーグルさん!!……そんな…みんな…………」
ネネカは倒れた三人を見て頭が真っ白になった。…何も考えられない。どうすれば良いか何も分からない。ただ、一人立っているネネカを見つけたマッドマンがゆっくりと向かって来る事だけ微かに恐怖を感じた。
「…や……だ…。来ないで………………………!!」
その時、ネネカの足元に緑色に光る大きな魔法陣が現れ、巨大な力を目覚めさせた。
「来ないでっ!!!!!」
ネネカが叫ぶと、倒れていた三人は鋭い目をして立ち上がり、マッドマンの背中に猛攻撃を仕掛けた。
「「はぁぁぁぁあっっっ!!!」」
攻撃を受けたマッドマンは湿った地面に沈んだ。カルマはすぐに地面に長刀を突き刺し、爆発させた。マッドマンは苦しそうに地面から這い上がると、カルマはレオとオーグルに向かって指を鳴らした。
「“フォルテ”!攻撃力を上げた、今だ!!」
「喰らえぇぇぇぇっ!!」
「はぁぁぁぁぁっ!!!」
二人は膨らむ力を頼りに、全力でマッドマンに攻撃を仕掛けた。すると、苦しそうにしていたマッドマンの動きは止まった。そしてただの泥に変わり、砂時計のような物を残して地面に溶けた。
「…………やったのか……?」
カルマが言うと、レオは恐る恐る砂時計に近づき、手に取った。
「…力を感じる……間違いない。秘宝だ。」
「じゃあ、倒したってことか。」
オーグルはそう言って、武器を右腕に鎖で巻き付けた。そして三人はネネカを見た。彼女は倒れていた。息はしている。先程まであった魔法陣は無くなり、気づいた時には地面は砂に変わっていた。




