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ティア・イリュージョン  作者: おおまめ だいず
秘宝編
36/206

煌めく首輪

「待てぇーー!!」


 レオとアランは、深緑の森でキャスパリーグを必死で追いかけている。


「チッ…全然追いつかねぇ……レオ、何か方法はないのか?」

「ドーマなら遠距離攻撃ができるけど…」

「あんなヤツ、キャスパリーグが相手だと、居ても居なくても変わらねぇだろ。」


 するとキャスパリーグは、木の上でくるりと向きを変え、二人に飛び掛かった。


『ニャァァァァァァァッ!!!』

「アラン、気をつけて!!」

「任せろ!!”銅の拳”!!」


 アランは右腕に銅を纏わせ、力強く突き出した。キャスパリーグは素早い動きで銅の拳を躱し、アランの背後をとった。


「しまった……!!!」

「そこだ!!」


 レオはキャスパリーグ目掛けて、剣を縦に振ったが、剣を踏み台にして木に飛び乗った。


『ニャォ…』

「クッソ…全然攻撃があたらねぇ……」


 するとレオは、左手に握りしめていた長い草をアランに渡した。


「アラン、これを使おう。」

「ん?なんだこれ……どっかで見たような………」


 アランは一本の長い草を見つめた。


「初めてシルバさんと旅に出た時に、シルバさんがダーク・フェイクに使ったアイテム、罠草だよ。」

「あ~、思い出した。これをアイツに投げればいいんだな?」


 キャスパリーグは二人に背を向けて逃げ出した。


「うん。上手くいくか分からないけど、時間がない。急ごう。」


 二人は罠草を握りしめ、キャスパリーグを追いかけた。




「お~い、猫ちゃ~ん!!」

「ドーマさん、私たち、もしかして迷子じゃぁ……」

「そんなはずがない。猫ちゃん見つけて、早いうちにパーニズへ帰れば一件落着だろ。」


 ドーマはネネカの肩に手を置いて言った。


「あのぉ…ドーマさん、このクエスト、キャスパリーグの討伐が目的ですよ………」


 その時、ドーマとネネカの上の木にキャスパリーグが通った。


「あ!!猫ちゃん!!」

「ドーマァァァァッ!!!そこをどけぇぇぇぇぇっ!!!!」


 アランとレオが罠草を握りしめて走ってきた。


「レオさん!アランさん!…よかった……これで迷子じゃない。」


 ネネカは二人を見てほっとしている。


「そこだっ!!」


 レオがキャスパリーグに向かって罠草を投げた。しかし、キャスパリーグはそれをヒラリと避けた。


「ちょ、お前ら!!猫ちゃんに何やってんだよ!!」

「レオ!!俺に任せろ!!!」


 アランがキャスパリーグに罠草を投げると、キャスパリーグの胴体に罠草が巻き付き、身動きがとれなくなったキャスパリーグが木の上から落ちてきた。


「よっしゃぁぁぁぁっ!!」

「アラン、ありがとう。」


 レオとアランは息を切らせながら喜んだ。


「おい!!!何してんだよ!!!」


 ドーマが、レオとアランに怒鳴った。


「え?…ドーマ?これ、討伐クエストだよ?」

「猫ちゃんがかわいそうだろ!!!」


 ドーマはレオの肩を揺さぶった。


「ドーマさん、落ち着いてください。」

「終わりだ!!”スクリュー・ストレート”!!!!」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!アラン!!!やめろぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!」




 キャスパリーグを倒し、秘宝の 煌めく首輪 を手に入れたレオ達は、ブランカの町に寄り道することにした。


「お前らぁぁぁ…黒猫の恨みは消えんぞぉ……」

「まぁまぁ、ドーマ。この首輪は君にあげるから。」


 レオが煌めく首輪をドーマの前に出すと、ドーマは首輪を取り上げ、レオとアランを睨みながら装備した。


「レオさん、アランさん、ドーマさん。町が見えてきました。」


 ネネカが指をさした先には、プロレスのリングのようなものが真ん中に設置された町があった。


「これが…武闘大会の会場か………」


 アランは瞳を輝かせて言った。


「いつか出れるといいね。アラン。……よし、パーニズに帰ろう。」

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