ここちゃん、ライバルあまなすちゃん登場!?【中編】
私とここちゃんは【あまなす子供ランド】に遊びに来ています。
大好きなマスコット【あまなすちゃん】には会うことが出来るのか。そして、デートのようだと意識してしまった私は、ちゃんと楽しむことが出来るのか。
「なぁ美波。何乗る?」
あまなす子供ランドは、幼稚園児でも楽しめるようなジェットコースターがあります。一周百メートル程の高低差があまりないレールを走るだけなのですが、私とここちゃんも幼稚園の遠足で乗ったのを覚えています。
「あまなすちゃんの回転木馬に乗ろうよ」
「おっけ!」
ここちゃんはこういうとき、特に嫌がる素振りを見せません。ただ、あまなすちゃんの魅力については分からないようで、グッズを一つも持っていません。
二人で回転木馬へとやって来ました。さすが子供ランドというべきなのか、どのアトラクションにも、ほぼ並ぶことなく乗ることが出来ます。
「美波! 俺これにする!」
ここちゃんのいうこれとは、真紫の馬車のことで、つまりは茄子色の馬車。そうです。あまなすちゃんの馬車のことです。
「何でそれで、あまなすちゃん好きじゃないのよ」
「すっげぇぇ!」
他に乗っている小さい子達と同じようなリアクションをするここちゃん。
「まぁ楽しいならいいか」
くるくると何周かすると、現実世界に戻されるこの感覚。テーマパークあるあるなのでしょうか。
「面白かったな! 横のくるくる乗ったから、今度は縦のくるくる乗ろうぜ!」
そう言ってここちゃんは、観覧車を指差したのです。
「いいねぇ」
いいねぇとは言ったものの、密室に二人っきり。またもやデートみたいという感情がやってきたので、思わず「やっぱりこっちにしよう」と、私は一人歩き出しました。
「美波! ここ売店じゃん! 今から買ったら荷物になるぞ? 縦くるくる乗ろうぜ!?」
「先にあまなすちゃんのグッズ買わないと、売り切れちゃうかもしれないでしょ!」
「安心しろ、美波。あいつはそんなに人気ないから」
「……あるもんっ!」
「どうしたんだよ!? そんな怒らなくてもいいだろ」
違うの。ちょっと心の準備をしたいだけなの。そう思うも、こんなこと口が裂けてもここちゃんには言えないので、つい怒ったような口調になってしまった。
「ごめん……あっ、ほら。限定品とかあるから、先に買っておきたくて」
「限定品かぁ……じゃあしょうがないな。ゆっくり選んでいいぞ。俺飲み物買って来るから」
「いってらっしゃい」
私は何を勝手に一人でからまわっているのだろう。ここちゃんだってデートだと思ってないだろうし。今日はそういうんじゃないんだから。今までだって二人でお出掛けしてきてるじゃない。いつもと一緒。そうだよ、いつも一緒なんだよ。
「かわいい。このキーホルダーいいなぁ」




