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4.王都

「うおぉぉー、凄い! でぇっけぇ城が見えるっ! マジでスゲェ!」

 

 シェリルの口から姉貴のことを聞いて次の日。俺はエウレたちに別れを告げ、ルーベンブルグ王国に来ていた。

 姉貴に会わせてほしいと頼んだら、あっさりと了承してくれたのだ。移動で何日かかるのかと思ったが、馬で一日かからないとのことでその日の夕方にはついた。


 王都の門を通ると町並みは大変賑やかで、如何にも戦争中という雰囲気は微塵も感じられない。

 まぁ、1000年も前から続いているなら慣れてしまうものなのかもしれないが。


「なぁ、シェリル。一つ聞いてもいいか?」


「なんだ?」


 馬に乗って先頭を進んでいるシェリルがこちらに視線を向ける。ちなみに俺はラドの馬に乗せてもらっている。


「戦争中だって言ってたけど、本当に戦争しているのか? その割には戦火の跡とかないけど」


「それは王国を中心に大規模な結界が張られていてな。『異界』や『凶禍』は入ってこれない」


「え? なら戦争する必要なくね?」


「ふむ、その辺の話はこれから会う司祭に聞けばよかろう」


 司祭? ああ、そういえば司祭にも会わせるとか言ってたっけ。

 シェリルが言うには、俺がこの世界に召喚されたのはイレギュラーな事らしい。詳しい話は司祭から聞けるだろうと言われた。


 俺は姉貴のおまけか!


「なぁなぁ、シェリル。もう一つ質問いいか?」


「なんだ?」


 相変わらず淡々としてるな。折角の美人なのに勿体無い。


「この世界ってやっぱ魔法とかあるの?」


「あるな。だが、全ての者が使えるわけではない。才能がある者だけだ」


「へ~。やっぱあるんだ。じゃあ、やっぱり騎士みたいに魔法使いも戦争に?」


「ああ、正確には魔導士だがな。部隊は主に聖騎士・銃騎士・魔道士からなる。ちなみにラドとミルは銃騎士だ」


 確かにラドの馬に銃が備わっているな。バカでかいライフル銃が。しかもこの銃、装填がリボルバー式。なんか無駄にカッコイイ。


「なんだナルカミ。お前も俺みたいなカッコイイ銃騎士になりたいのか?」


 ラドが顎に手を当てながらニヤニヤ話しかけてくる。


「ラド、冗談は顔だけにしなさいよね。ナルカミ君、困ってるじゃない」


「おいおい、酷いなミル。そんなことないよなぁナルカミ?」


「銃はカッコイイと思います」


「お、おま、結構きっついこと言うな……」


「ぷっ! ラドが変なこと言うからだよ……くくくっ」


「ミル、うるさいぞー。あいつ、あんなこと言ってるけどな俺にゾッコンなんだぜ? ベットの中だとニャンニャン甘えてくるんだよ。この間なんか俺のライフルを――」


「ちょおおぉぉぉっっっと!! ラドぉぉぉ!! な、なにバカなこと言ってるのよっ!!!」


 ほほー。ミルさんベットの中だと甘えてくるのか……。なにそれ、超羨ましい!


「ラドの兄貴、その辺詳しく!」


 一瞬固まるラドの兄貴。


「ぶっ……あっはっはっは! そうかそうか! お前も男だな! ……まぁ、ぶっちゃけた話? 聖騎士隊より銃騎士隊のほうが女性比率高いから入隊するならそっちがオススメだ(ボソ」


「自分銃騎士隊に入ります!」


「ぶぁっはっははは! ナルカミお前面白いやつだな! 自分の欲望に素直すぎだろ……くくくっ。まぁ、嫌いじゃないぜそういうの」


「コホンッ!!」


 バカな話をしていると、先頭を進んでいたシェリルが速度を落とし隣に並んできた。

 その顔は真っ赤で、口をへの字に曲げながら困った表情をしていた。


「い、今は任務中です。そういう話は控えてください」


「はっ! シェリル様、申し訳ありませんでした!」


 ラドが謝るとシェリルはまた速度を上げ先頭にたつ。

 堅いやつかと思ったけど、ああいった表情するんだなシェリル。恥ずかしがる姿、ギャップありすぎ! などと思っていると、ミルが近づいてきた。


「……ラドのばか」


「いや~、すまんすまん~」


 結局この二人は中がイイノネ。あー、元の世界に戻りてー。


「冗談はさておき。シェリル様は真面目な性格であるからなぁ。民の為に騎士として振舞うのはご立派だが、いつか潰れてしまうんじゃないかと俺は心配だぜ」


「どういうことです?」


「シェリル様はな、ゼクシア帝国のお姫様・・・でな。前に言ってたんだぜ? 無力だった自分が救世主として選ばれ、民のために剣をとれると。当時まだ11の女の子がだぞ?

 5年間お供しているが、俺は心配だ。隣に支えてくれる男でもいればなぁ」


「ラド随分と長く一緒にいるんですね」


「ん? ああ、シェリル様に剣の使い方を教えたのは俺なんだよ。元々は聖騎士でな。これでもルーベンブルグ王国一の実力だったんだぜ? 今では銃騎士だけどよ」


 ラドはシェリルの後ろ姿を見つめている。それは何処となく、娘を見守るような雰囲気に見えた。


 シェリル、俺より年下なのに立派なんだな――――。


 俺は彼女の後ろ姿を眺めたまま、城の中へと入っていった。 



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