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黒猫虎 コメディ寄り

三億年後の第ニボタン

作者: 黒猫虎

(注!)ハーレム物の要素が有るため苦手な方はご注意ください。

挿絵(By みてみん)


      1



 三億年後、世界が愛に飢えていました。


 世界から第二ボタンという第二ボタンが失われ、世界中が愛を見失っていました。

 その為、どのような愛も叶えることが出来ると言われる伝説の第二ボタンを世界中の人が探していました。

 しかし、その第二ボタンを誰も見つける事ができないでいました。

 失われた第二ボタン……。


 実は、世界中から失われた第二ボタンの原因は魔王に()るものでした。

 世界中の人は勇者を求めました。

 そして現れた緑頭の勇者が身につけていたのは伝説の学ラン(※)。


 ※学ラン……かつて若い奴隷階級の男が身に纏っていたという拘束具。若い女性が身に付けると、異様な程の興奮を覚える者もいるという。


 その胸には伝説の第二ボタンが輝いていました。


 勇者は魔王を倒す旅に出かけますが、愛に飢えている者は勇者を倒す旅に出かけました。

 勇者を倒せば伝説の第二ボタンが手に入るからです。

 世界中のあらゆる男が、そして女が勇者に戦いを挑みました。


「ま、待て、魔王が倒せなくとも良いのか?」


 勇者の制止も聞かず、次々と愛の亡者が戦いを挑んで行きます。



      2



 今日の亡者は盗賊と騎士団とプログラマー(?)の合同チームです。


 勇者は一応、確認します。


「お前達の目的はこの第二ボタンなのか?」


「その通り! 恋が、愛が欲しいんだ!」

「ヒャッハー! 俺らはATMじゃねーんだよー(涙)」

「家に帰ったら、『お風呂にする、ご飯にする、それともア・タ・シ?』って死ぬまでに1度言われてみたいんだ! それが(おとこ)としてこの世に生を受けた意味(アイデンティティ)であり希望(フォーチュン)っ!」

Grep(グレップ)に"i(アイ)"が足りなかったんだ!」(←?)


 キンキンキン!


 勇者は哀れに思い、不殺技『峰打ち不二子』で倒しました。



 その翌日の亡者は金髪碧眼なくノ一(丶丶丶)殺愛(アヤメ)です。


「お前はなんの目的でこのボタンを狙う!」

「問答無用! アタイもう25なのよ!」


 この時代、結婚適齢期は男女共に15~20でした。

 25のくノ一(丶丶丶)殺愛(アヤメ)はその為大いに焦っていました。

 勇者は女性を一切傷つけないというキモイ誓いを立てていたため、『峰打ち不二子』でさえも使えません。

 仕方なく、勇者のみが使える禁断の脱衣技『稲妻(イナヅマ)立直(リーチ)一発(イッパツ)自摸(ツモ)! 脱衣(だつい)麻雀(マージャン)()り』を使用しました。

 くノ一(丶丶丶)殺愛(アヤメ)の放漫(誤字ではなく豊満との二重の意味(ダブルミーニング))なおっぷぁいと肌色が勇者の前に晒されました。


「ウギャー! 生まれて初めて男に裸を見られた!(ドキドキ♡)」

「すまぬ、許せよ」



      3



 勇者は魔王城になんとかたどり着きました。

 ここまでの敵は全て人間でしたから、初めて魔王の手下と戦う事になります。


 そして現れた魔王の手下は、戦いの相性が男性にとって非常に悪いサキュバスと吸血姫です。

 サキュバスは水色ヘア、吸血姫は赤色ヘアです。


「「勇者、第二ボタンをよこせ!」」

「もしくは精を」「もしくは血を」


 勇者は少し考えました。


「もしくは、の方ならいくらでもやるぞ」

「「バカめ快楽の果てに死ぬがいい!」」




 ―暗転―

 

(~うっふーん♡~)




 サキュバスと吸血姫は血をたっぷり吸った魔蚊(マスキート)の様に、もう動けません。


「「ああ、勇者、何故にこんなに精/血を吸い尽くしても大丈夫なのか/だ?」」


 敗北したのにどこか満足げな二人。(←大人な事情)


「これは伝説の学ランの力だ」

「「第二ボタンしか見えていなかった……伝説の学ラン、最強/高……♡(バタリ)」」



      4



 勇者は魔王の間に着きました。


「魔王、世界中から奪った第二ボタンを返せ!」

「うるさいのじゃ、お前の第二ボタンもいただくのじゃ!」


 魔王は山羊の様な立派な角を2本、そして(ドラゴン)の様な羽と尾を生やした銀髪赤目の女性魔族でした。

 勇者はさすがに魔王には手抜きが出来ません。

 激しい戦いが始まります。


 キンキンキン!


「なぜ、これほどまでに第二ボタンに執着するんだ!」


 勇者は激しい戦いの中、魔王に尋ねます。


「……魔王だって愛が欲しいのじゃ。でも魔王じゃから、これだけ第二ボタンを集めても、まだ効力が足りないのじゃ」


 キンキンキンキン!


 激しい戦いの末に魔王を倒す勇者。

 すると、魔王が集めた第二ボタンたちが解き放たれたように世の中に散らばっていきました。


「これで世界中に愛が戻ったということか……」

「く、悔しい」


 魔王は第二ボタンを失ったからか、はたまた敗北したからか、魔王化が解けると服がボロボロになり、肌色の多いエロチックな姿の元魔王に成り下がりました。


「ゆ、勇者……ワシは恋がしてみたかっただけなのじゃ……。でもワシは魔王じゃから、多少の第二ボタンでは効果が足りなかったのじゃ……」


 魔王は弱々しく、勇者に訴え(命乞いし)ます。


「元魔王、お前を倒し、この伝説の学ランも役目を果たした。この第二ボタンをお前にやろう」

「ゆ、勇者っ(ズキューン♡)」


 学ランから第二ボタンを外し、魔王に差し出す勇者でしたが――。


 この時を狙っていたくノ一(丶丶丶)殺愛(アヤメ)が伝説の第二ボタンを掻っ攫っていきます。


「あはは、忍法『漁夫の利』~」



      5



「く、悔しいのじゃ!」


 落ち込む魔王。

 勇者も伝説の学ランの力を失ったので、もう殺愛(アヤメ)を追う事が出来ません。


「残念だな。第二ボタンは1つしかない。代わりにオレの愛ではどうだ?」


「……えっ!?」


 何を言われたのか一瞬分からない魔王。

 目を白黒させています。


 ここぞとばかりに勇者は攻め入ります。


「このオレの愛ではダメか?」


 照れ臭そうに、しかし、しっかりと愛の言葉を魔王に伝える勇者。


「魔王、オレと付き合ってくれるか? というか結婚してくれ。お前みたいな奴がタイプなんだ」


 勇者は服がボロボロになったエロチックな格好をチラ見でしっかりと視界におさめつつ言いました。


「勇者……(キュン♡)」


 しばらくそのまま見つめ合っていると、伝説の学ランの第二ボタンが有った辺りがキランと光りました。


「ほら第二第二ボタンを上げよう」

「え、何じゃと? 第二第二ボタン?」


 いったい、何が起こったのでしょう。


「伝説の学ランは第二ボタンが再生するのさ」

「そ、そうなのか(驚)。――じ、じゃが(いも)。だとすると、どうして今まで誰にも渡さなかったのじゃ?」

「実は、渡した相手と強制的に結ばれてしまうんだ。だから渡す相手は慎重に選ばないと」

「……なっ!?」


 ――コヤツは何を言っているのじゃ?


 何を言われたのか一瞬分からなくなる魔王。


「じゃが(いも)、もし男に第二ボタンを奪われたらどうなるのじゃ」

「強制的だからな。男同士か、どちらかが強制TS(※)展開になるのか……」


 ※TS……transsexual、性転換の意味。


「なんと恐ろしいのじゃ……」



      6



「……そろそろ戻ってくると思うぞ」


 しゅたっ。


「ゆ、勇者っ」

「おう、殺愛(アヤメ)。どうした」

「アタイの真実の愛の相手、勇者だったみたい……っ」


 殺愛(アヤメ)に伝説の第二ボタンの効果が現れていました。


「ですよねー。魔王すまないが、アイツも一緒にいいか?」

「……ワシはかまわない。勇者は人間の子孫も残さんといけないじゃろう。じゃが(いも)、勇者はあの行き遅れの25女でいいのか」


 魔王は理解のある女を演じる事にしました。


「いいんだ。コイツとは腐れ縁で、ほっておけない奴なんだ。オレ以外がコイツを幸せに出来るとは思えないし、魔王さえ良ければコイツも幸せにしたい」

「勇者……(キュン♡)」


 殺愛(アヤメ)は25だし、妥協する事にしました。


「勘違いすんなよ。魔王が第一婦人だからな」

「ワシが第一婦人……(キュン♡)」

「じ、じゃあ、アタイが勇者の第二婦人……(キュン♡キュン♡)」


 魔王と殺愛(アヤメ)は伝説の第二ボタンの効果テキメンです。


「「そしてあたしらが第三第四婦人っ!! あたしらにも伝説の第二ボタンを渡してくれるんだろ!?」」

「「サキュバス! 吸血姫!」」

「おう、まかせろ」



 こうして世界は再び愛に包まれました。




 後に勇者を4人の妻たちが取り囲んでいる様子を当時の有名画家ラッセソが描き後世に伝えた事で、勇者と妻たちの鮮やかな髪の色が記録に残りました。

 現在、緑銀金水赤の五色の組み合わせが『縁起が良い』『子沢山』『無尽蔵の精力』『子孫繁栄』『真実の愛』『多くの愛』『異種族婚』等の多くの意味を持つ様になったのは、この出来事に由来があるという事だそうですよ。










 三億年後の第ニボタン


 ―完―






この作品は、


けにゃタンさんの作品「1億年後の第二ボタン( https://book1.adouzi.eu.org/n7521gh/ )」のインスパイア作品です。

けにゃタンさん、執筆の許可をくださりありがとうございました!

けにゃタンさんは発想の天才!

ぜひ皆さまもけにゃタンさんの作品をお読みになっていただければと思います。

超多作で掌編小説が多く、作品数が現在なんと462!


・けにゃタンさんのマイページ

https://mypage.syosetu.com/1112122/


そして更に、『峰打ち不二子』『じゃが(いも)』は、シサマさんの作品「剣持キンキンキンの辟易( https://book1.adouzi.eu.org/n7846fz/ )」をリスペクトしております。


更に更に、上記作品がリスペクトしている九頭七尾さんの作品「無職の英雄 ~別にスキルなんか要らなかったんだが~( https://book1.adouzi.eu.org/n6683ej/ )」を当作品もリスペクトしております。


『おっぷぁい』は、間咲正樹さんの作品「ゴリラのウホ夫くんとゴリラのウホ美さん( https://book1.adouzi.eu.org/n6676fu/ )」リスペクトです。


文章の数字でのカッコいい区切り方は、なるみや なるみさんの作品「GOD WARS ONLINE-可愛いので天使族を選んだら支援特化種族だったけど高プレイヤースキルで剣を振り回す脳筋プレイしていくスタイル-( https://book1.adouzi.eu.org/n7051fk/ )」から学ばせていただきました。


一風変わった傍点・・の打ち方やハート文字は、朝倉ぷらすさんの作品「メスガキTS転生したからには、外道無双で逆ハー作って、ハ〇ハメされたいのっ! のっ! わかる!? わかって!! わかった!?( https://book1.adouzi.eu.org/n0071fx/ )」から学ばせていただきました。


これらの作品もどうぞご覧ください。

(ご覧になった後で、当作を再度お読みくだされば、また味わい深いものとなるでしょう。)



つまりつまり、当作品はリスペクトのみで作られたと言っても過言ではないでしょう。


「リスペクト = 感謝」(←間違っているw が、完全な誤りともいえない)


でございます。

感謝のかたまりです。

感謝鎌足かんしゃのかまたりです。




おあとがよろしいようで。








にゃんと、感想FAが届きました!

八割れネコさんより、アリサ(メイドロボ)と相棒のハチワレ(ネコロボ)が当作を読んでの感想を伝えてくれるようですよ。


挿絵(By みてみん)


ふたりそろって「ガビーン」「なわーん(ガビーン)」ですって。w

かわいい&昭和感。www


・ふたりが活躍する作品

「メイドネーター。」作:八割れネコ

https://book1.adouzi.eu.org/n5604gb/


『メイドロボ』アリサのお色気シーンとハチワレの活躍シーンを見逃すなっ\(^^)/





にゃんと最後に登場する有名画家ラッセソさんの絵のFAが届きました!

描いていただいたのは、ひるねさんですっ。

作品の最初に置かせていただいたこの絵ですねっ。


挿絵(By みてみん)


ひるねさん、超絶ありがとうございます!

にゃんですか、この超絶美麗FAはっ(///∇///)


個性豊かな4人の美女。

貴方の好みは誰ですか?


そんな素晴らしいFAを描いてくださった、ひるねさんの連載中の作品をご紹介させてくださいっ


・ひるねさんの作品

「私母ちゃん。転生したら白猫でした~神様から息子が貰ったアイテムの『世界樹のしずく』は厄介事ホイホイとしか思えません~」作:ひるね

https://book1.adouzi.eu.org/n2022fk/


『おかん猫』の愛らしい活躍を見逃すなっ\(^o^)/





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アリエス令嬢
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― 新着の感想 ―
[良い点] 伝説の第二ボタンてw テンポもよくて読みやすかったし、面白かったです! [一言] かなり笑わせてもらいました。
[一言] あー、うん なんか良くわからないけど兎に角すごい話だった、気がする 何度か読み返してみます
[良い点] ワロた!(≧∇≦) そしてラストに感動した! ただし「開いた口の塞がらない」方向に(^_^;) ★8つほしい [気になる点] あとがき読んでいると “カンシャカマタリ“ではなくて “パ…
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