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【本編完結】王女殿下の華麗なる「ざまぁ」【番外編更新中】  作者: ばぅ @1/8シゴデキ令嬢アンソロ発売
【番外編①】ヴァニエルの後悔

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ヴァニエルの後悔(2)

下町のギルド酒場――ここは、訳ありが集う場所だ。店主のバルドは、額に深い傷を刻んだ大柄な男で、朝から晩まで一言も無駄にせず、従業員たちを容赦なく叱咤する。彼の口癖は「文句言う暇があれば働け!」。その厳しさは、酒場で働く誰もが痛感している。


 そんな中、俺の妹であるリリアーネも給仕として働いている。彼女はかつて貴族令嬢としての輝きを放っていただけあって、見た目は立派で、瞬く間に酒場の人気者となった。しかし、人気が災いしてか、常連客たちからセクハラを受けたり、元々トップだった女給のリーダー格から嫉妬混じりの嫌がらせを受けるようになった。


「最悪!!あのクソ女、絶対わざと私の服にワインこぼしたでしょ!! おかげで上客を取り損ねたわ!」


「それに、あのセクハラジジイ……わざと尻触りやがって……!」


 今日もリリアーネはこぼしながら、渋々職場に向かう。

 だが、彼女が受ける嫌がらせの原因は、単にその美貌だけではない。


 リリアーネの仕事初日のことである。彼女は自分の誇りに溢れ、他の女給に対して


「私は、公爵夫人になる予定だった女よ!!」

「あんたらブスと一緒にしないでよね!!」

「私は成り上がるんだから!」


 と豪語し、接客にばかり熱中して掃除や雑用を徹底的に拒否したのだ。もちろん、その態度は上司であるバルドの激怒を買い、彼女はゲンコツを喰らい、衝撃のあまり号泣してしまった。

 今まで貴族令嬢としてしか扱いを受けてこなかった彼女のことだ、当然ゲンコツを喰らうのも初めてで、おそらく相当な衝撃だったはずだ。彼女はその日は仕事を休むことになったが、翌日からは大人しく仕事をこなすようになった。


 だが、女給たちはその一件を口実に、リリアーネをさらに嘲笑する。


「あの子、結局昔の栄光に縋ってるだけよ!」

「自分は私たちとは違う、とでも思ってるのかしら?ちゃんちゃらおかしいわ」


 そんな中、バルドが厳しい声で従業員たちを叱責する。


「陰口叩いてる暇があったら働け! どんなに高飛車な態度でも、ここは酒場だ。全員が同じ土俵に立っているんだ、忘れるな!」


 俺はその光景を横目に見ながら、心の奥で苦々しい後悔と悔しさに苛まれていた。かつては、王家に認められる存在だと自負していた俺が、今やこのような惨めな環境にいること――それは、俺自身の過ちの賜物だった。だが、リリアーネが泣きじゃくりながらも、明日からまた働こうと奮い立つ姿を見ると、俺はどうしても胸が締め付けられるのを感じた。




番外編も読んでいただきありがとうございます!!

「ヴァニエルの後悔」は全8話、2/28まで予約投稿済です^^

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