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10学園

「わああ。ここがルージュ魔法学校ですね!すごーい!」


 イソトマは学園の前の門で大きく歓喜の声を上げた。

 ルージュ魔法学園――ここは、ルージュナー帝国で魔法がとても得意な子息令嬢か光属性の魔法が使える国民なら通える帝国内で1番大きい魔法学園だ。

 

 ここでは学力、魔法の実技、体術の身分が関係ない実力によってS、A、B、C、Dの5つのクラスに分けられる。私―アネモネや皇太子らがSクラスでイソトマは火属性でかなり魔法が使いこなせているが、勉強ががあまり良くないということで、Aクラスとなった。


 ここの学園の卒業生達は、魔術団に入団し、良い功績を残した人物も数多く存在する。

 

 学園への転入者はなかなかいないが、公爵家の圧力と魔法の実力があり、イソトマは転入できたのだろう。


「イソトマ様。早く行きますよ。あなたの教室まで私が案内いたしますから」


……すごい見られているわね。イソトマの声が大きいのと私が特定の人以外の誰かと一緒にいるからかしら。

 いつも私が一緒にいる人は決まっているため、一緒に登校してきたイソトマのことが気になるのだろう。


「アネモネ、おはよう!その方はどなたなのかしら?」


 彼女ならイソトマが誰かが分かっているだろうに。

 彼女はビオラ・ルージュナー――この帝国の第二皇女だ。帝国では、皇女が3人、皇子が2人いる。

 ビオラには、婚約者はいないが交際をしている人がいる。ビオラが惹かれて、交際を申し出たところ、その人もビオラに惹かれていて交際がスタートしたらしい。


 しかし、このことを知っている人は当事者以外に私しかいないとの事。お互い家族にも秘密にしているらしい。皇帝陛下と皇后様は子供たちを溺愛しているため、恋人が出来たと知ったら凄く相手のことを調べて、不可と判断した場合、全力で潰しにいくだろう。


「ビオラ、おはよう。紹介するわね、この人は私の義妹となったイソトマ・サルビア公爵令嬢ですわ。ほら、イソトマ様ごあいさつを」


「ビオラ様!はじめましていつも義姉がお世話になっています!私ともこれから仲良くしてくださいね!」


 ざわざわ―――サルビア公爵は再婚したのか!?あの方、故エルヴィン伯爵の娘ではないですの!?父上に報告をしないと―――

 

 人によって反応は様々だ。

 はあ。予想はしていましたが、騒ぎになると少々面倒ですわね。どう抜け出そうかしら。


 そんなことを考えていると、ざわめきが大きくなった。

 もしかして――とそちらを見ると、予想どうりアネモネの婚約者で皇太子のスイレン・ルージュナーとその側近達がいた。

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