8侍女達
作者に余裕ができてきたのでまた少しずつ投稿していきます
私が客室に部屋を移された日、私の侍女達はとても心配し、気にかけてくれた。また、不自然なほどに笑顔で、まがまがしい雰囲気をまとっていた。
私の侍女は母が生きていたときから、世話をしてくれているアキレア、ベロニカ、エビネと、学園に入学するとき連れていけるようにと雇った私と同い年の二人、アキレアの娘のスミレとベロニカの義娘、アロエの計五人で皆私に忠誠を誓ってくれている。
皆、なにかをするための準備運動を始めていて、アキレアなんて護身用の銃に弾をつめていた。
さすがにまずいと思い、怒り狂っている彼女達をなだめた後、父の再婚相手だというあの人達のことを聞くと、皆知らないとのことだた。
「しかし、あの当主様がお嬢様にあんなことをおっしゃるなんて……。
頭を打ったりでもしたのですかね」
「そうなのよね。私が言うのもあれだけど、かなり愛されてたものね……。
操られてでもいるのかしらね」
エビネの言葉に同意する。あれはなにかおかしい。今思い出せば目が虚ろだったような気も……
「まあ、今考えても分からないんですし、これからの様子もみて考えていきましょう!それに、お嬢様に何かしたら、いくら当主様でも許しませんから。ね?」
アロエが手を叩き、明るい様子で言う。
許さないとはどういうことだろう……
怖いから突っ込むのをやめておく。
「でも、ありがとう。皆が味方でいてくれるから私は頑張れる。心を強く持てる。だから、これからもよろしくね」
「「「「「はい!もちろんです!」」」」」
これから大変になるかもしれないが、私にはそばにいてくれる人がいる。
そのことはとても幸せなことなんだと思い、私は微笑んだ。
荷物の片づけが終わり、時計を見たら食事の時間になっておりダイニングルームに向かおうとしたら、父の側近でランド・スチュワードのセバスチャンが厳しい表情で父が私はダイニングルームで食事をとるのを禁じ、部屋で食べるようにと知らせに来た。
セバスチャンの家の跡継ぎは代々サルビア公爵家のランド・スチュワードになることが決まっていて、セバスチャンもその例にならい、我がサルビア公爵家に仕えてくれてる。
また、私はセバスチャンとは仲が良く、孫のようにかわいがってもらっていた。
そのセバスチャンも今日は私に冷たく接してきた。
これは、確実になにかあるわね。
給仕係が持ってきてくれた冷めた食事を食べながら、脳をフル回転させ思案し、侍女達はセバスチャンも頭を打ったのではないかと話していた。
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