最終話 春が来る
今年は桜の開花が早かった為入学式まで桜がもたなかった。しかし間違いなく良い日である事に変わりはない。
「入学おめでとう!」
「ありがとうございます!」
私たちは文華の入学式に来ていた。花束を早苗、桃華、桜で割り勘にしたのだ。
「じゃあ私の部屋に行く?」
3人とも賛成の声とともにいつもの私のアパートにやってきた。そこからはドンチャン騒ぎ……とはならず、買ってきたケーキを食べながらの雑談となった。
「結局理子は文華ちゃんを選んだね。」
「早苗も可愛いと思うけどなぁー。」
「あはは……」
私は文華と早苗に目配せした。
「実はね。今年から3人でルームシェアする事にしたの。」
「「……はいー?」」
そう、私と文華は結局付き合ってるのか?と言われるとまだなのだ。でも、私の気持ちは文華の事が好きだと分かった。でも付き合うか付き合わないかはまた別なんじゃないかってなったのだ。
「じゃあ勝負はどうなったのよ?」
「第二ラウンドになります。私と早苗さんでどちらが理子の彼女に相応しいか決める勝負です。」
「それ終わりがあるの?」
「終わりはわかりませんが、少なくとも理子が決めなくて良いんでいつかは決まると思います。私たちが勝つか負けかを決めるだけなんで!」
「終わらないでしょうね。一生……」
「さっさと決着つけなさいよ。理子!」
私には拒否権などないのに酷い言われようだ。まぁ私じゃ決めきれないから2人が勝ち負けを決めるのなら私は自然体でいれば良いだけだ。それに家事の負担が分散するのはありがたい事だ。
「じゃあ私たちも1つ報告がありまして……」
そう言うと桜と桃華ぎ立ち上がった。
「私たち付き合う事になりました!」
「まぁ旅行の最終日から付き合い始めたんだけどね。」
「……」
「……」
「……」
その後私たちが驚きの声を上げたのは言うまでもなかった。だから桜が早く一人暮らししたいと言ってたのだろう。桜らしいと言えばらしいのだが。
「告白はどちらから?」
「桜から……一生私の側に居なさい!って……」
頬を赤らめて言う桃華は凄く美しかった。恋をすると女性は美しくなるというのは本当の様だ。
かくして私たちの戦いは終わった。結論は嫌いになっても結局仲直りしてしまえば好きにはなれます。だから喧嘩しても仲直りはしましょう。
4年後……
「ただいま。」
「…………」
「返事くらいしなさいよ!文華!」
「ん?あ、おかえりなさい。」
「もう!社会人になっても変わらないわね!3人はしっかり社会人してるわよ!」
「私もしてますー!私はフリーランスだからパソコンがあるところでお仕事してるだけですー!」
「ほぉほぉ……なら晩御飯の用意はしてるのかね?」
「……まだ仕事中なので……」
「嘘つくな!」
結局勝負は文華の勝ちで終わった。理由は文華には理子が付いてないと大変な事になるから……それを聞いた私は笑い転げた。確かにこの子は並大抵の人では動かせないのだから。今だって仕事など当に終わってるのにパソコンで遊んでいた文華をお仕置きしてるのだから……結局私たちは大学卒業後から付き合い始めた。これからまだまだ不安も心配もあるけど乗り越えられる。2人ならね。
fin
ここまで読んでいただきありがとうございました!
次回作をお楽しみに!
宜しければ作品を通しての評価を下の星1〜5で評価して頂けると幸いです!
それでは次回作でお会いしましょう!




