第61話 旅行6
電車の中でよく寝たからか門司港に着いた時には体力もフル回復していた。
「めっちゃ海綺麗!」
「潮風が気持ちいいー!」
「夏なら泳ぎたかったかもね。」
「関門海峡はあっちですかね?」
それぞれがそれぞれの感想を言った後門司港レトロを見て回る。
「おおー!なんか博多とは街並みが全然違うね!」
「だねー。レンガ作りの物も多いよね。」
「本州が近いからそちらの技術を使った物が多い様ですね。」
早苗の説明に納得する。やはりその場所場所で流行りのものや技術、いろいろ変わるのは面白いと思った。
「門司港は何が有名なの?」
「イカとか山口が近いからフグも有名だけど学生の私たちじゃ金欠まっしぐらだから焼きカレーにしましょう!」
普通にフグは高いと聞くし、まだ昼だったから賛成である。近くの焼きカレーのお店に入るとカレーのいい匂いがする。
「焼きカレー4つお願いします!」
オーダーを伝えて席を待ってる間どこに行くのかを思案する。時刻は午後2時……まだ日は長いとは言え時間はない。行ける場所も限られていた。
「先にホテルにチェックインする?」
「16時からチェックイン可能でしょ?流石に早すぎない?」
「じゃあさ、じゃあさ!夜景スポット行かない?」
「そんなのあるの?」
「レトロ展望室ってのがあるんだよ!」
桃華がスマホで詳細を見せてくる。確かに22時まで空いてるし、近場だ……でもね。
「まだ夜じゃないよ。」
「そうだよ!気が早すぎる!もうちょっと見て回ろう!」
「じゃあ……関門トンネル歩いてみます?」
早苗の言葉に私たちは一瞬固まった。
「えっ?歩けるの?」
「歩けますよ。一応歩道もありますし、県境もしっかりありますから。」
「じゃあ行ってみる?」
「そうだね。行ってみたい!」
「遠いですがね。」
「ええ、ここから結構歩かないといけないらしく向かう列車も土日祝日のみのようです。」
全員で顔を見合わせて頷く。
「また今度にしよう。」
「ですね。またくる機会はありますし!」
そしてそのタイミングで注文していた焼きカレーが到着した。チーズが上に乗っててトロトロだった。
いただきますの掛け声で一口食べるとめちゃくちゃ熱かった!でも、美味しい!辛いけどチーズの甘味が絶妙に良い!やっぱり門司港に寄って良かった!そして今から行く場所は話し合いの結果、ブラブラと歩いて興味があるところに入る事になった。
実際に行くと目移りしちゃうアレである。
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