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第35話 夏季休暇開始

 15:50分それが試験終わりの合図だった。そしてその音を今か今かと待っている私。答案用紙はほぼ埋めた……そして……


キーンコーンカーンコーン……


 その音は試験終了の合図と同時に夏季休暇スタートの合図でもあった。答案用紙を回収してもらい私は一度伸びをきた。すると早苗がやってきた。


「終わったーー!」

「ようやく終わったね。」


 最後のテストは早苗と同じ授業だった。


「お疲れ様!理子。」

「おつかれー早苗。」


「桜達と合流する?」

「うん、中央の食堂にいるそうだから行きましょう。」


 私たちは足取り軽く中央食堂へ向かった。道中は先ほどのテストの話をしていた。


「意外と簡単だったね。」

「ですね……でも、大丈夫かな?」


「何が?」

「単位だよ!落ちてるのないですよね?」


 早苗に言われて不安になる……自信はあるけど……ギリギリのもあるからだ。


「たぶん大丈夫じゃない?気にしすぎだよ!ほら楽しい夏休みが始まるんだからもっと楽しく行こうよ!」

「……そうだね。」


 早苗の顔はどこか寂しそうだった気がした。でも、そんなはずないこれから夏休みなのだから。私の思い過ごしかテスト何か良くなかったのか……


「そうだ!今からみんなと話すんだけどさ!花火大会行かない?」

「花火大会?どこでやるんですか?」


「ここからだと結構距離あるけど電車て5つ先かな?」

「そんなに遠くはないですね。いつあるんですか?」

「明後日だよー!みんなで行こうよ!」


「私は大丈夫ですよ!浴衣着ますか?」

「私はそんなのないよ!第一着付けもできないし!」


 早苗は結構乗り気の様だ。私も自然とテンションが上がる。


「よーし!後は桃華と桜ね!」

「あの、文華ちゃんは?」

「あの子は来るわよ!まだ言ってないけど絶対くるからね!」


(そんなに自信持って言えるんだ……羨ましいよ……文華ちゃん……)


「これで3人ね。あとは桜と桃華ね!」

「うん……そうだね……」


 試験が終わったばかりなのに早苗の表情は暗い。そんなにテスト自信ないのかな?


「大丈夫よ!早苗ならさ!きっと大丈夫だから暗い顔しないの!」


(あぁ……やっぱり気が付かないよね……私があなたの事を……でも、元気ないままだと理子が困るよね……)


 私は早苗の頭を撫でて元気付けた。すると少し笑ってくれた。少し安心する。


「そうだね。大丈夫だよね!」

「そうそう!そうやって笑ってた方がいいよ!」


「うん、ありがとう……」

「さぁて、あの2人は来てるかな?」


 私たちが入ると2人はまだ来ていなかった。とりあえず近くの席に座って飲み物を飲んで待つ。すると桃華が先にやってきた。


「お疲れ様でした。」

「おつかれー」

「お疲れ様です。桜さんは?」

「あぁ、トイレ行ってから来るそうですよ。」


 桜が来るのを待って話を始める。その間は試験の手応えを話していた。


「おぉ、お疲れ様待たせたね。」

「いいわよ、お疲れ様!」

「お疲れ様でした。」


「おう、早苗も理子もおつかれ!それでここに呼んだ理由は?」


 早速本体に入ってくる桜、いつも通りストレートだ。


「花火大会行かない?」

「おおーいいね!どこでやるの?」


 桜も桃華も興味はある、私は先程早苗に説明した様に話した。すると2人ともOKって返事を貰えた。


「当日は理子の家に待ち合わせ?」

「それでも良いけど、駅でいいと思うんだ。特に早苗の場合は大学前の駅の方が近いわけだしさ。」

「早苗は確かにその方がいいわね。桃華はどうする?」


「私も駅で待ち合わせにします。早苗さんと駅で待ち合わせ、みなさんをお待ちしますよ。」

「じゃあそうしようか!桜もまだウチに居るでしょう?」


「いや、まぁそうだけど……一旦明日は家に帰るよ。」


 桜はここまで頑なに帰るのを拒んでいた。今日も帰るつもりなかったはず、だけど急な心境の変化に驚いてしまう。


「あら?どういう風の吹き回し?」

「いや、まぁ試験も終わったし、一度顔は出しとこうかと……ね。」

「ホームシック?」


「そ、そんなんじゃないわ!ただ……一応は……言っとかないとと……」


 顔を紅くしてるのが面白いけどまぁそれがきっかけで帰れるならありだとも思う。少し寂しいけど……


「あの、桜さんはずっと理子の家に居たんですか?」

「あれ?言ってなかったっけ?あの日以来ずっと泊まってるよ?」


「聞いてません!」

「聞いてないですね……」


 早苗も桃華も知らなかったらしい……まぁ桜らしいとも思って笑っていたら思わぬところから攻撃された。


「文華さんもいるのに浮気ですか?理子さん。それとも2人でイチャイチャしてるのを見せつけるために桜を泊まらせてたんですか?」

「ちょっ!なんでそうなるのよ桃華⁉︎」


「だって、付き合ってる2人の家に転がり込むって事はそういう事じゃないの?」

「桃華は私たちがどんな風に見えてるのかしら……」


 私は引き攣った笑顔で聞くが笑って誤魔化された。桃華はイマイチ掴めない性格だ。とにかく日程も決まってようやく話も進み明後日の予定も決まるのだった。

 ここまで読んで頂きありがとうございました。

次回更新もお楽しみに!


 面白い、続きが気になるという方はブックマークをしてお待ち頂けると幸いです。

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