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【5th anniversary!】アデリーン・ジ・アブソリュートゼロ  作者: SAI-X
【第17話】悪魔の家出少女現る!
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FILE127:大爆撃!機雷はキライ


「またまた設置式の黒玉機雷だぁ。ゲーロゲロゲロゲロッ」


「うあ――――ッ」


 彼女らにとって敵の攻撃のからくりはわかっても、ではすぐに突破できるかと言われたらまた話が違ってくる。なぜなら、今戦っているフロッグガイストこと蒲郡は卑怯でずる賢く、自身が吐き出した機雷を巧妙に設置するし、誘導からの爆破もお手の物だからだ。


「あ、アデリーンさん! 蜂須賀さん!?」


「私たちなら平気ですから。タカラギさんたちは早く安全なところに……」


 後ろで心配しながら見ていた夫妻に呼びかけて避難させたところで、アデリーンは前もって召喚していた青色のビームソード・『ブリザードエッジ』の柄を強く握りしめる。もう片方の手には、もう1つのメインウェポンである青い光線銃・『ブリザラスター』を握っていた。


「逃がしたところでまた追い詰めるだけよ。ところで赤玉機雷は即効性だ、ゲロゲロー!」


 フロッグガイストは自身が赤玉と称している、赤いトゲ付きの機雷を飛ばす。彼の言う通り、何かに触れたらすぐに爆発してしまう危険すぎる代物だ!


「だから、街中でこんなモンまき散らしてんじゃあねえ!」


 ハニカム状のシールドを身の回りに展開して、防御しつつ射撃を行なう蜜月だったが、やはり受けるダメージや爆風のほうが大きかったようで、のけぞってしまった。


「触っただけで爆発するなら、フロッグガイスト自身もタダでは済まないはず。どこかに起爆スイッチが……」


 爆発の残り火が燃え盛り蜜月がフロッグへと怒りを露わにしている最中、アデリーンはメタル・コンバットスーツのバイザーに搭載されたスキャン機能を利用し、敵のスキャンを開始する。表情のない仮面の下で、彼女は瞳孔を閉じた。


(……そこか!)


「ゲロッ!?」


 バイザーに映し出された結果を見てから、それ(・・)を実行に移すまでは迅速だった。彼女はフロッグガイストの胸から胴体にかけて、アイスビームを浴びせるように撃ったのだ。全身に冷気がほとばしって、不運にも変温動物の怪人になっていた蒲郡は悶え苦しむ!


「ミヅキ、たった今敵の体内にあった起爆スイッチを瞬間的に凍らせて粉砕して、使い物にならなくしたわ。黒玉機雷だけでもね」


「相も変わらずメチャクチャやる~……。けど、これでもう脅威じゃなくなった!」


「……()()()()()()()()の仇っ!!」


「ゲロゲロ、何の話だァ~~~~!?」


 突然、アデリーンから言いがかりをつけられて困惑していたところに、連続斬りやパンチ、ビームや実弾の乱射に――、そうやってフロッグガイストは集中砲火を浴びせられてしまう。とはいえ、彼もやられっぱなしでは終わらない!


「なめんじゃねえぜ、起爆ができなくなってもなぁ。オイラには、赤玉機雷とベロがあるんでい!」


「ッ」


「フロッグ火炎地獄ぅウウウ」


 宣言した通り、フロッグガイストは舌を長く伸ばしてアデリーンと蜜月をまとめて拘束。更にその舌から燃え盛る炎が伝わると、2人に著しいダメージを与えた上に、そこに赤いトゲトゲの機雷も添えることにより大爆発も起こし、大きく吹っ飛ばした。その先は、ちょうど聖花とデリンジャーが小競り合いを繰り広げていた児童公園の付近である。


「オバサンにアデリーンさん!?」


 2人が目の前にいきなり落ちてきた上、あの醜いフロッグガイストも後を追ってカエルらしく大ジャンプで移動してきたため、怖いもの知らずの聖花も目を丸くしてしまった。小心者のドリュー・デリンジャーもだ。


「おお――――ッ、やっと幸運が巡って来た……。好都合でい!」


 ≪バット!≫


「宝木聖花、お前を捕らえて、邪魔ばっかしてくる蜂須賀は殺し、ウッゲ!?」


 イキリはじめて、カッコつけた様子で再びバットガイストに変身したデリンジャーめがけ、聖花は「チェストォー!」と叫んで足払いをかけ、更に脛にも蹴りを入れた。コウモリの上級怪人となって強化されているはずのデリンジャーも、これには耐えられず情けない声を上げて転倒する。


「聖花ちゃぁぁん! 逃げルルォ!」


「あっ!! もうちょっとだったのにィ」


 蜜月やアデリーンとアイコンタクトを交わして、頷いてから走り去る聖花に、転んだまま手を伸ばそうとしたが、デリンジャーはアデリーンが撃ったアイスビームによって凍り付く。まんまとターゲットに逃げられてしまったフロッグガイストは、地団駄を踏んで怒り出した。


「余計なことを! もっともっと食らえ、ゲロゲロッ! ゲロッパ!」


「わッ」


 次にフロッグは、怒りのままに赤い機雷をたくさん飛ばして周囲を爆破し出す。次々に着弾して火柱や煙が上がり、アデリーンたちは爆風に煽られて宙を舞った。しかし体勢を立て直してから着地し、フロッグガイストにキックを叩き込む形で反撃する。


「や、やめろー! ぼくまで巻き添えにしてるんじゃあないぞ!?」


「ジタバタしてるんじゃねえや! それに手柄はオイラがいただくと言ったろーッ!」


「ギニィィィヤアアアアアアアアアアアアアアアア」


 必死の抗議もむなしく、デリンジャーは機雷の爆風に大きく煽られて吹っ飛ばされた。黙って見過ごすアデリーンたちではなく、蜜月がとっさに背中の翅で羽ばたいて彼を追う。フロッグガイストの猛攻を前に抵抗を続けながら、アデリーンはパートナーである彼女へとデリンジャーの追撃・打倒を託す。


「フロッグ火炎地ご……」


「私も、いつまでもあなたと遊んであげるつもりはない。マシンブリザーディアっ!!」


「ゲロオオオオオオオオオオオオオオ」


 専用バイクを召喚したアデリーンは、そのバイクの右ハンドルも兼ねたブリザードエッジもバイクに差してから、フロッグガイストを強力な冷凍エネルギーの波動で凍らせ、バイクに乗って突撃し敵をこのまま市街地の外へ運び出さんと試みる。それだけでなく蜜月が飛んで行った方向もすぐに特定し、そこを目指して走り出していた。

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