禁断のスキル
とりあえず暇なので禁書庫に入っている。
ワグマとビャクロも一緒に。私がリンネという力を手に入れたからかそれが羨ましいのか知らないが、自分たちもそういう力がほしいといっていた。
禁書庫の本には基本題名がない。だからこそ、手探りで探すのだが。
「なにがわかるか、何の力が手に入るかは博打だぞ?」
「それでもいいのよ。こう、魔王らしくすごい力がほしいの」
「それで私だけないというのもなんだか嫌だからな。適当に見繕ってくれ」
と言われたので、私は禁書庫を漁る。
適当にっていってもな。いわゆるソシャゲのガシャみたいなものだしな。私は適当に二冊本を手に取った。そして、一冊ずつ二人に手渡す。
禁書というのは強大な力を秘めていると賢者も言っていた。だからこそ、強大な力を得れるはず。
そもそも禁書自体それほどないからな。私ももう一個……っと。
「この本の内容は……崩壊、らしいわ。なんか崩壊スキル手に入れたわよ……」
「私は錬成…とかそういうことを書かれている」
「私は模倣かこれは…」
《模倣を手に入れました》
コピー……。
試しに使ってみることにした。誰かをコピーするということは同じ能力になるということなのかもしれない。私はワグマをコピーする。
すると、なんだかアバターが変わったような気がした。
「ぱ、パンドラ、よね? 私の顔になってるけど……」
「なるほど、コピーするとこうなるのか」
「声まで同じ!? ぶ、不気味! 自分が二人いるとこんなにも不気味なのね……」
「ひどいな……。じゃなくて、ひどいですわー。おほほほ」
「わ、私そんなこと言わないわよ! ほ、崩壊!」
すると、私の視界が暗転する。
その暗闇に現れたのは現実世界の白露と月乃だった。その二人を見ていると、なんだか怖くなってしまって……。
そして二人の顔が怪物に変わっていった。
「う、うわあああああ!」
その時、視界が明るくなると二人の顔が元に戻った。
「崩壊……恐ろしいわね。危なかったわ……」
「なんだよ今の……」
「あ、相変わらず私の顔のまま……。えっと、今のは崩壊スキルの一つ、精神崩壊というやつで相手を確定で狂乱状態にさせると説明されてるわ」
「うっわ……」
だからああなったのか。
たしかに禁断扱いされるわ……。
「それにしてもコピーって怖いわね。ドッペルゲンガー……?」
「そういう使い方もできるか」
私はコホンと咳払いをする。
「はじめまして。私はもうひとりのあなたです。なにか困ってることがあるのなら私が代わりにやってあげましょうか?」
「いや、いいわよ。パンドラ絶対相手の立場を乗っ取って相手を追い込むわよね?」
「バレてる?」
「性格上そうするでしょ。あと、いい加減コピー解いて頂戴。自分の顔をしてる人と話すのはなんだか不思議な気分なのよ……」
と言われたので素直に解くことにした。
模倣・・・相手の能力を数値だけ同じにする。ただし数値を偽るだけであり本当に同じ能力になるわけではない。あと、コピーした相手の見た目になる
崩壊・・・あらゆるものを壊す力。相手の精神など崩壊させる力をもつ。自分の所持品は壊れない
錬成:::無から有を作り出せる能力。剣でも槍でも錬成可能。対価?錬金術でもなんでもないからいらない。等価交換の法則なんて無視している。




