勇者、登場
作者FE買ったんです。初めてプレイします。
あっ…気づけば三時間経ってる…。うわ、面白いとこだやめらんねえ←いまここ
勇者が誕生した……。いずれかは出るんだろうとは思っていたが、もう出てしまったか。
勇者が誰なのかはわからない。が、対策は練っておきたい。ワグマが魔王となったとき、魔王補正というステータス補正があったらしい。
となると、勇者にもあるに違いないんだよな。
私はワグマたちの部屋に急いだのだった。
「勇者…。案外早かったわね」
「そうだな」
ワグマと対策会議をしていた。
勇者といえば魔王と対峙するものだ。物語的な流れでいうと最終的には勇者に魔王は討ち取られ、死んでしまうのが世の常。悪は滅びるというのを体現している。
勇者が正義で魔王が悪。その構図に違和感は否めないが。
「でもどの国で勇者が誕生したんだろうな。国はたくさんあるだろう? ニホンから……というわけじゃないような気もするが」
「いや、そうでもないよ。あの第二王子は私たちを殺したがっている。だからこそ……」
と、その時だった。
レブルが部屋に駆け込んでくる。
「ぱ、ぱぱ、パンドラ様あ! 勇者と名乗る方がやってまいりましたぁ! あと、アバロン教最高司祭つれてえ!」
「……はいはい」
もう来たんですか。勇者様。
私が勇者を出迎えに行くと、にっこりと笑って出てきたのはなんとタケミカヅチだった。え、お前が勇者なの?
「ごめん。なんか勇者になっちゃった」
「えぇ……」
「やはりこの勇者も魔王に落ちていましたか。あの第二王子がこれを知ったときいい反応するだろうなぁ……」
アヴェールって基本ドSだよな。
タケミカヅチなら対策しなくてもいいだろうか。いや、友達を信じたいだけなんだけど。
「安心してください。彼は魔王を討つつもりはありませんよ。我が教団が勇者になりませんかと持ち掛け、勇者の力を授けただけですから」
「ふぅん」
「第二王子はにんまりとしていましたよ。魔王に対抗する手段ができた……と。ですがあなたの息がかかってないものを勇者にするわけないじゃないですか」
「タケミカヅチはそれに利用されてると?」
「そうなりますね」
「今は勇者としての力をつけるためと戦わせることできません。ずいぶんともどかしそうにしてましたねぇ。あの顔がいつかは絶望に変わるかと思うと……!」
と、恍惚の表情を浮かべた。
私とタケミカヅチはそれを気味悪そうに眺めるのだった。実際気味悪いから仕方ないだろう。
「とはいえ、勇者が一人なわけないんですけどね」
「どういうこと?」
「えっと、説明しておきますと、この世界に存在する教団のそれぞれに勇者を任命する力があるのですよ。それに、教団は国に一つずつ存在します。なので、国の数だけ勇者がいると……」
「えぇ……」
国の数だけ勇者がいるというのかよ。
となると、オールランド王国とかも勇者を抱えることができ、またほかの国も……。魔王を討ち取りたいがためにやってくるのかもしれないな。
めんどくせえ……。




