キャンプしよう ①
帰る予定をちょっとだけ早め、家に帰って今度はキャンプの準備をしていた。
広瀬先生がキャンプしないかという提案があり、広瀬先生の友人も連れてくるらしい。私たちも参加していいのか?と思ったけど、先生という立場じゃなくて年の離れた友人ということらしい。あと、ビッグゲストが参戦するとか。
ビッグゲストってだれだよ……。
「それじゃ珠洲。私たちでテント建てようか。三人は手伝ってもいいけど、遊んでてもいいからね」
「私たち二人で!? 時間かかるじゃん!」
「つべこべ言わない」
珠洲さんはぶつぶつ言いながらテントの骨組みを立てていた。
月乃と白露が手伝いますよといって手伝っている。私はそれを傍から眺めていた。私こういうことするのは好きだけど、私がいたら邪魔だなぁと思いながら立っている。
すると、背後に人の気配がする。
「誰だ」
「あ、驚かせちゃったかな」
と、後ろに女性の人が立っていた。
その顔は、どこかで見たことがある。というか、テレビで見ている女優の顔。名前は……生出 真野、だったかな。
あまりバラエティとかドラマとか見ないからなー。
「真野ちゃん。来た!」
「真野……。って、あの?」
「どうもー。美咲の教え子ちゃん達だね? 生出 真野です。よろしくね」
と、ぺこりとお辞儀をする。
スタイルいいなーと思いつつ、私はずっと外から眺めていた。
テントを立て終わると、今度は近くの川の浅瀬で水遊びをしている。
流れが穏やかで、全体的に浅い川。私は水着を着ているが、木陰でみんなが遊んでいるのを眺めていた。私の隣には広瀬先生が座る。
「混ざらないの?」
「こういうのに混ざるような柄じゃないんで」
「そっか」
「広瀬先生こそ混ざらないんですか?」
「……水着だと胸がね目に入るからどうしても目の敵にする奴がいて」
えぇ……。たぶん珠洲さんのことだろう。あのおっぱいは凶器だろ。グラビアアイドルみたいなおっぱいをしてるぞ。あれはもう、逆にすごいと思う。
月乃も白露も立派なものを構えてはいると思うが、それ以上。
「私はともかく、たまには柄じゃないことをしてはしゃぐのも悪くないと思うよ。」
「そうですかね」
「うん。夢野さんはいつもクールだけどたまにははしゃいでストレス発散でもしたらどうかな」
「ストレス溜まってるわけじゃないんですけどね」
「そうなの?」
あまりいらいらはしないし……。するときはするけど、それほどというか。
こう、傍らで眺めているほうがずっと幸せな気もする。
「こう、親友たちの可愛い姿を傍らで見ているともうそれでいいなって感じがするんですよ」
「そうだね。三人とも可愛いからね」
「私はそんなですよ。目にクマあるし。性格も可愛いとは程遠いし」
「私は可愛いと思うけどね」
「先生はそういうことをいって落としてきたんですよね? 女性を」
「私タラシってわけじゃないけどな」
広瀬先生は苦笑いを浮かべた。




