お爺ちゃんの家
お爺ちゃんに会うのは結構久しぶりだ。
小3の時以降会っていない。お爺ちゃんもお姉ちゃんに付きっきりだったし、こちらに来るにも来られなかったのと、私も壊れていたお姉ちゃんとは会いたくなくて敬遠していた。
およそ六年ぶりだろうか……。
「おう、よくきたな眠。大きくなったのぅ」
「お爺ちゃん」
少ししわが増えていて、でもそれほど変わっていなかった。
「さ、あがれい」
「うん」
私は靴を脱いで玄関に上がった。
「福山兄妹もよくきたの」
「おじゃましまーす!」
「お邪魔します」
福山っていうのかよ。
名前知らなかったわ。私はあがって居間に行くとおばあちゃんがお茶を飲みながら座っている。こちらに気づくとよくきたねぇって優しく笑ってくれた。
そして煎餅食べなっていってくる。有難くもらった。黒糖煎餅だった。美味い。
「急に会いにくるってびっくりしたわよぉ」
「うーん。まぁ、そろそろこなきゃなって思ってさ」
「あと私がせかしたのもあるわよ」
「小学生からこんなに大きくなって……。子供の成長は早いわねぇ」
よしよしと頭を撫でてくるばあちゃん。恥ずかしいんだけどね。
でもおばあちゃんっこが生まれてくる理由がわかる気がするわ。包容力が違う。なんていうか、めちゃ優しいっていうかね。
「春雄は元気かい?」
「いや、叔父さんこの前ぶっ倒れました」
「は? それ初耳なんだけど」
「言っても働きづめで過労で倒れたんだよ」
「……お大事にって言っておいて」
はいはい。
ここは母の実家のほう。お母さんの弟が春雄……つまり、私の叔父。もうひとり叔父がいるけど、あっちは父のほうだ。
「まぁ。あの子どんなとこに勤めてるの?」
「ブラック企業ですよ。叔母さんとこもですけど。それで働きづめでぶっ倒れたんでやめて私の友達が経営するところに勤めるそうです」
「あらそうなの」
「貴方のお友達って想像つかないわね。社長令嬢? お金持ちじゃない」
「まぁ、阿久津家だから金持ちだな」
「あの阿久津? あんたすごいやつと友達よね」
でしょ?
なんで友達になったかはあまり覚えてない。けど、白露よりは早く一緒に行動するようになっていた気がするな。
あとでゲームにログインして聞いてみるかな。あまり友達になった経緯とか覚えてないんだよな。
「春雄も倒れないで欲しいわねぇ。さ、お腹減ったでしょ。ご飯の準備するね」
「簡単なものでいいからね」
「無理はしないわよぉ。でも、久しぶりの孫娘の為に腕ふるっちゃおうかしら」
「もう……。さ、眠。部屋は二階突き当りよ。ゲームするならそこでしてね」
「ゲーム!? 私もしたい!」
「すまないな。このゲームは一人用なんだ。いや、まじで」
「えー」
「美海あまりわがままを言うんじゃない」
ヘッドギア一個しかないんすよ。というか、一個あれば十分なんですよ。基本ソロだし……。




