寿司教室
修学旅行二日目。私たちはレクリエーションをしていた。
レクリエーションはみんなで寿司を握ってみようということで寿司学校というところに来ていた。ここは班で行動するらしく、私たち五人の目の前に酢飯が。
講師の人が説明するが私は握ったことは実はと言うとある。結構な腕前だと思ってます。
「それじゃあ作ってみましょう」
講師の人がそういったので私は手を洗い、シャリを作ることにした。
動画で覚えた見様見真似で覚えた。力加減とかも結構大事で緩すぎるとすぐにシャリが崩れるし力を入れすぎると逆にしまりすぎるっていうもんだ。
だから適度な力で握って、ネタにわさびを指で付け、ネタをシャリの上に乗せる。
「はい、完成」
「パン子さんうまいね…」
「普段料理するし食べたいなって思ったら自分で作ることもあるからねー」
ちょっと鼻が高い。
すると、講師の人がやってくる。
「すごい! 初心者でここまで綺麗にできる方いませんよ!」
「ふっふっふ。このパン子ちゃんは何度か作ったことがあって完全に覚えてるんだぜ…」
「そうなんですか! あなたもこの班で教えてあげてください!」
「むろんっすよ。ほら、お前ら作ってみろ」
講師の人が離れ、それぞれが寿司を握ってみていた。
月乃もそこそこできてるが…。月乃も月乃でちょっと力が強い。いや、隣の白露はもっとなんだけど。ぎゅーって握りすぎててシャリがつぶれてる…。
それぞれがネタをのっけて完成と目の前に置いたが、白露が悲惨すぎる。
「白露さん…シャリ握りすぎ…。もうおにぎりじゃん」
「握り寿司っていうんだから握るんだろ?」
「ここまでシャリが潰れてる握り寿司はないわよ…」
大森くんと甲地も形はできていたが、大森くんはちょっとぽろぽろ崩れ始めているし、甲地に関してはネタがきちんとのってない。
いや、白露以外はいいできだよ? 白露はもう料理しないほうがいいってレベルでひどい。
「今回の昼飯は自分で握った寿司なんだからキレイに作らんとあまり食えたもんじゃなくなるぞ…」
「そ、そうだったね。頑張る」
「…なあ、パン子が作ってくれたり」
「しない」
「くう…」
そして寿司を実食するときが来た。
様々なネタがあったので巻き寿司も私は作り、かんぴょう巻き、鉄華巻きなども作らせてもらった。
私は結構な数作ったが、他は私の半分くらいだろう。私も私で作りすぎたが。
「いただきます」
四人が醤油につけて寿司を口に運ぶ。
私もちょっと白露から一つ寿司をもらって食べてみる。すると、鼻がツーンとした。っていうか。
「辛ぇっ! ワサビつけすぎだろ! 罰ゲームみたいなワサビの量だぞ!」
「……」
白露は涙を流しながら寿司を口に運んでいる。
「辛いの好きって言えどこの鼻ツーンとくるのは苦手だな…」
「ぐう…」
「月乃も一つ」
「いいけどあんたのも寄越しなさいよ」
「へいへい。じゃ、マグロもらってくわ」
月乃のも食べてみる。
うん、ちょっとワサビの量が多い気がするけど全然いい。美味い。
「さすがパン子…。ほんとになんか技術が違うわ…」
「ま、実力だね」
「言い返せないのがムカつく…」
月乃が少し唸っていると大森くんと甲地が声を上げる。
「お、俺も一つもらっていい?」
「ぼ、僕も…」
「いいよ。一つもらうね」
私はそれぞれから一つもらう。
甲地のから食べてみる。
「…さび抜き?」
「う、うん。わさびは苦手なんだ」
「へぇ…」
甲地さんは可もなく不可もなくって感じかな。
大森くんのも食べてみる。シャリがちょっと崩れやすいが美味しい。わさびの量もちゃんと普通だし。
美味い。
「美味しい」
「夢野さん…すごい」
二人からも称賛されました。
褒められるのは悪くないね。




