炎竜の帝王戦 ②
グレンドラゴンが飛来してくる。私たちに気づいたのか、私たちの目の前にグレンドラゴンは着地した。
グレンドラゴンの体は燃え盛っており、触れたらダメージを受けそうだ。
「ガァ!」
モルは先制攻撃を仕掛けようと突撃していくが、あまりの熱さにやられたのか攻撃せずその場から離れる。
「暑い〜!」
「たしかに真夏の猛暑みたいな暑さだな」
すると、グレンドラゴンは大きな右手を振り下ろしてきた。
私たちは躱した。が、地面に炎が伝って私たちに引火する。私たちの装備が燃えた。
「あっつ!」
私は水魔法をかけ消火。ライアにもかけてやった。
火は消えたが、港周りにあった船や桟橋が燃えている。
「むかー! もう怒りましたよ! 九尾の力見せてやりますわぁ!」
と、九尾が分身する。
そして、一斉攻撃を仕掛けていた。九尾が総がかりで攻撃するがドラゴンは痛そうにするだけで大したダメージはなさそうだった。
「効いてないぞ」
「むきー! そんなお高く止まって! そんなにドラゴンが強いんですか! 実家に帰らせていただきます!」
「まてい」
私は九尾の尻尾をギュッと握る。
「にぎゃああああ!? なにするんですか!? 尻尾はビンカンなんですよ!?」
「そう?」
「にぎゃっ!」
また握ってやると悲鳴をあげる。
「さて、どう戦うかなー」
私は水魔法をぶつけてみる。
水魔法をかけると炎が消えたが、また燃える。消火しながら戦うのがベストだけどそうはしてられない。魔力がつきそうだ。
「だがしかし水魔法ぶつけまくるしかないか…」
私は水魔法を連射する。
グレンドラゴンは炎が消されるのを恐れたのか、私をギロリと睨む。
そして、でかい前足をまた振り下ろしてきた。私は躱し、伝ってくる炎を消火。
その瞬間、グレンドラゴンの顔が私の目の前に来て、口からブレスを吐いてくる。
私はブレスが直撃し、体力が大幅削れてしまう。
「あっつー…」
丸焦げになりそうなくらい熱かった。
これ以上攻撃を受けると死にそうだ。どう逃げるかも視野に入れて考えないと。
このドラゴンは思ったより知能がある。舐めてたわ。
そして、グレンドラゴンがトドメだと言わんばかりに足を振り下ろした。
その瞬間、グレンドラゴンの攻撃がやめられ、吹っ飛んでいく。
「た、助かった」
と、グレンドラゴンの後ろでは上陸した海竜がグレンドラゴンを睨んでいた。
グレンドラゴンは起き上がり、海竜を睨む。海竜も負けじとグレンドラゴンを睨み返す。
「こ、これは緊迫してきましたねえ! やれー! かいりゅー!」
「ライアって調子いい奴…」
私は難を逃れた。
私はその場に座り込む。
「グワアアアアアアアア!」
「キシャアアアアアアア!」
両者の咆哮。
先手を仕掛けたのはグレンドラゴンだった。グレンドラゴンは鋭い爪で引っ掻こうとし、海竜はそれを受け止める。海竜は口から水のブレスを吐いた。高圧の水流がグレンドラゴンを包む。
グレンドラゴンは、まだ海竜から目を背けない。
「グワアアア!」
そして、グレンドラゴンは自暴自棄になったのか、守るのを捨てて殴りかかった。
爪で引っ掻き、海竜は防御すると、グレンドラゴンは炎を吐く。海竜は咄嗟に水のブレスを吐き相殺。
優位は海竜だ。
「キシャアアア!」
海竜が仕掛けた。
海竜はグレンドラゴンに噛み付く。そして、至近距離からの水ブレスを放った。その高圧の水流はグレンドラゴンを貫く。
私が言うのもなんだけどやること結構えげつない。
グレンドラゴンから血が垂れる。すると、ライアが近づきビンに血を溜めていた。
「ドラゴンの血はすごい素材になるんです!」
「無茶するなよ…」
血を回収したライアはそそくさとその場から離れた。
一方、ドラゴンたちはというと、グレンドラゴンはふらふらとした足取りだ。海竜はグレンドラゴンを許さず、ふらふらとしたグレンドラゴンに襲いかかる。
そして海竜は立ち上がり足でドラゴンを掴み、顔面目掛けて水のブレスを放った。
グレンドラゴンはその場に倒れる。
「キシャアアアアアア!」
勝ったと言わんばかりの咆哮をあげた。




