泣き叫ぶ幽霊船 ④
廊下を歩いている。
船室をくまなく調べてはいるが手がかりはなし。あの鬼をどうにかする以外方法はないのだろうか。私はさらに下へ降りていく。
すると、動力室、と言うところに出たのだった。現実で言うエンジンルーム。
中に入ると、魔石が積んであり、それで動いていると思う。
「…沈めるか」
私は船を沈める決意をした。
私は魔法で魔石を攻撃する。と、熱暴走をはじめ、十分で爆発するという警告が魔石で動いている機械から聞こえてきた。
なるほど、正解らしい。私は階段を駆け上がると、鬼が隣に現れたのだった。
「は、はろー?」
「グギャアアア!」
「っとあぶねえ!」
私は十分以内に船に戻れ、ということだ。
私はとりあえず氷を張り、滑っていく。階段までつくと急いで駆け上がった。鬼がおってくる。私は階段に氷を張っておき滑らせる。
鬼は階段を上ってこれない! ざまあみろ! 妨害に関してはいっちょ前にできるんだぜ私はな!
とまあ、油断できないのも事実だ。まだ時間に猶予はあるが…。敵がいる感じがする。
私は甲板にでると、スケルトンがはびこっていた。スケルトンが戻る道を塞いでおり、剣を構えて私を倒そうとしている。
私は板の前に立つスケルトンを左手でつかみ凍らせる。そして、板を渡り、板を破壊した。
「よし、帰還」
と思ったが。違和感がある。
「ワグマたちはどこ行った?」
ワグマたちはどこにいったのだろうか。
船の上から逃げた、とは考えづらい。船の上から大きな声でワグマを呼んでも返事をしなかった。おかしい。
もしかするとワグマたちは…。私は幽霊船の方を見る。が、三人が乗っている様子はないな…。
しょうがないのでフレンドメッセージを送ると、私たちは一番安全そうな船の下にいるっていうこと。どうやらいるらしいので…。
制限時間はそろそろだ。
すると、船の下から爆発が起きていき、船が沈んでいく。スケルトンがおぼれているが、どんどん力がなくなっていったのか抵抗を辞め沈んでいったのだった。
そして、霧が晴れる。空は雲一つない青空が広がっていたのだった。
「あー、やっと終わった」
それにしてもスケルトンが動いていた理由はなんだろう。
私が行ったときは魔力のかけらもなかったのに…。あいつらがなんかしたんだろうか。まあそれはいいんだけど…。
私は船の底に行くことにした。あいつらを迎えに行かないとな…。
私は船底に行くと、二人で固まっているワグマとビャクロに、周りを警戒するユウナがいた。
「よっ、無事か」
「…ホンモノ、よね?」
「ホンモノ?」
何のことを言ってるのだろう。
ホンモノ? ニセモノがいるわけないのになぜそんなことを聞くのだろう。
「魔王様、離れていてください」
「え? ユウナ戦うつもりなの?」
ユウナは剣を構える。
私はとりあえず戦闘態勢をとるが状況がよくわからない。なんでこいつらは私にたいして疑心暗鬼なんだろう。
ホンモノといっていた。となるとニセモノがいたということになるが…。
「…パンドラ。人魚の国の騎士団長の名前は?」
「アルファリアでしょ」
「私はテストで合計何点を取った?」
「オールゼロ」
と、二人から質問が来る。
なんなんだよ。そんなに質問するなよ。
「ユウナ、ホンモノよ。あー、怖かったぁ」
「どういうことなんだってばよ…」
「失礼しました。いえ、先ほどあなたのニセモノが船をはびこっていたものですから…」
というと、後ろの扉が開く。
「さあ、ビャクロ、ワグマ。一緒に行こう」
と、私の顔そっくりの奴が現れた。
「おお、ニセモノ」
顔、可愛いな。




