vs巨大ウツボ戦
翌日は大雨だったので大人しく中でゲームやることにした。
ログインし、魔王の部屋…謁見の間にいき、ワグマたちと合流する。
「さて、これが装備ね」
私は装備を広げる。
「私は鎧ね。やっぱ魔王だからかっこよくいかないと」
「私は動きやすさ重視でこの服だ」
「私これにしまーす!」
「俺はこれで」
と、それぞれに装備が行き渡った。
聖杯を手に持ち、海に潜る。
「ほんとに水圧ないわね! ダメージ受けてないわ!」
「そうだな」
どうやら水圧無効は本当らしい。ワグマ以外は防御力とか低そうだし少し露出あるから水圧無効できなさそうなのに…。
まあいいさ。
私たちは前回より、下に潜っていく。
海中ダンジョンは私たちにとっては未開の地であり、何があるかわからない。
最近レベル上げもしてないから250くらいだもんなー。最大レベルが300らしいからまだまだだ。
「あっ、先輩方! なんか来ます!」
「わかるの?」
「わ、私索敵スキル持ってるんです! 何かとてつもない物がこちらに…」
と、イルマーがいう。
「この距離では戦うしかないだろうな。俺が行っていいすか」
「…誰だっけ」
「マルタです」
マルタくんね。
「まずどんな相手かわかんないしみんなで戦おうか」
「来ます…!」
イルマーがそういうと、私たちの目の前に魔物が現れた。
巨大なウツボだった。鋭い牙が私たちを襲おうとして、ウツボが大きな口を開けて突進。
私は難なく躱したが、他はギリギリ躱せたという感じだ。
巨大ウツボは壁にぶつかり、牙で岩を噛み砕く。あの牙で噛まれたらひとたまりもないな。
「グギャギャ!」
「またくるわ!」
このウツボをどうにかしないと先に進めない、か。どうする? 白露も水中だからかそんなに実力は出せないだろう。
となると、私が相手するしかないが…。
「考えてる時間があまりない。まず受け止めるしかないな!」
当たっても問題はない!
物理攻撃は効かないから突進は効かないはず。どうやって受け止めるかだが。
ウツボが私の目の前に来た。私は左手を伸ばす。海を少し凍らせ、ウツボの突撃をブロックした。
「グギャ!」
「こんだけ巨大なウツボ…。体力も相当あるな」
「相手する?パン子」
そうだなあ。無視してもいいけど…。こいつがこのダンジョンのボスであるという確率も少なからずあるわけで。
それに、戻ってくるときにこいつがいたら厄介だ。
「討伐出来そうならするしかないね。どうするかはワグマに任せるよ」
「わ、私に?」
「あんたがリーダーなんだから」
私はあくまで参謀だ。決定権はワグマにある。ワグマの決断に私たちは従うまでだ。
私は氷をどんどん作り出し、突撃を防いでいるが…。
「じゃ、じゃあ倒すわよ、みんな!」
「おう。任せろ」
「任せてください!」
「任せろお!」
私は氷でウツボを包む。相当魔力を使う。全部を覆うのは流石に無理だ!
私は魔力を最大まで使い、ウツボを引き留めるが…。やばい、予想以上に力が強い!
「魔力が足りねええええ!」
「ビャクロ、一発で決めることは?」
「不可能だろう。体力がありすぎる」
「わ、私バフ魔法使えます! "アターク"!」
バフ魔法アターク。
かけられた本人の攻撃力が1.5倍になるんだっけ。バフ魔法が得意なのか。そういや魔王軍にバフをかけられる奴いなかったな。誰もかれも自己完結型だからなー。
「デバフは使えるのかしら」
「申し訳ございません! デバフはその…」
取得してない、か。
これじゃワンパンいけるとしても乱数に近いな。もっと確実にするには相手の防御力を減らしたいが…。
すると、マルタがオノでウツボをぶっ叩く。
「兜割り! 防御が必ず下がるんですわ!」
「ナイスだマルタ!」
「それほどでも! 先輩、お願いしますね!」
「ビャクロ、頼んだわ」
「うおお、そろそろキツイっ…!」
魔力がもう少しで尽きる!フルパワーで動きを止めているがそろそろ動き出すっ…!
私の魔力が尽きかけた瞬間、ビャクロのパンチがウツボの土手っ腹に決まり、ウツボはそのまま素材となったのだった。




