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悪の魔王の作り方!  作者: 鳩胸 ぽっぽ
夏だ!海だ!伝説だァ!
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ニホン国王の謁見

 とりあえず素材をワグマたちに渡し、私たちは王城に向かう。

 レオンが報告を待っているらしい。アデュラン曰く。


「兄上はああ見えて結構オカルトや伝説が好きなんだ。人魚は実際にいるのか?と会話したこともある。兄上はいる、俺はいない派だった」


 とのことだ。

 いない派のアデュランも実際の人魚見たから信じただろう。

 王城前につき、門番が驚きを隠せないまま私たちは素通りし、謁見の間に。

 私は扉の前に待機して会話を聞くことにした。


『兄上、ただいま帰りました』

『…それで報告は? 深海の調査だ。人魚はいたか? それとも海坊主か?』

『人魚…それが…』


 私は扉を開けて水球を操作する。


「あなたがこの国の王だろうか」

「やっほー。アイドルのマリちゃんだよ〜!」


 と、人魚二人が飛び出る。

 レオンは思わず握っていた王笏を落とし、ふらふらと近づいてくる。

 次の瞬間、王の叫びが。


「うおおおお! 本当か! 本当に人魚はいたんだな! すごい! すごいぞ! 人魚がいるなら是非交流したかったのだ!」

「喜んでもらえてマリ嬉しいよー! あ、いや、嬉しいですっ」

「地上に出て一番驚いた人だな」


 アルファリアは苦笑し、マリは喜んでいた。


「兄上…」

「あっ…こほん。すまない、取り乱した。…その、セクハラになるかわからんが下半身触らせてもらっても…」

「それはだーめ! 本当にセクハラですよ!」

「それは流石に…恥ずかしい」

「わかった。無茶な願いすまない」


 レオンは王笏を拾い、座り直す。


「な、名を聞かせてもらっても良いか?」

「はい。私は人魚騎士団団長のアルファリアと申します。ニホン国の王、この度の謁見の時間をいただき恐縮と共にありがたく存じます」

「人魚のアイドル! マリです! 唄を歌うのが好きです!」

「人魚の伝説といえば唄で船を沈没させたというものや、人間を魅了し海底まで連れ去ったという話もある…それは真実なのだろうか」


 レオンは今にもはしゃぎたいのを抑え込んでいる。

 意気揚々に質問を投げかけ、それにアルファリアが答えるような形だ。

 

 レオンが数問質問を投げかけ、アルファリアが答える。満足したのか、最後の願いを言っていた。


「その、人魚の唄を聞かせてはもらえないだろうか。すまない、初対面で聞かせてもらうのは悪いな」

「大丈夫です! 人魚唄大好き! 歌えるのなら歌います!」

「ありがとう。では、頼む」

「お任せください! こほん。では、音楽ないのでアカペラで…」


 マリは歌い出す。

 なんていうか、落ち着いた曲調なんだよな。アカペラでもわかる。

 子守唄みたいな感じで落ち着くのだ。


 レオン、アデュランは口を閉ざし、唄を真剣に聞いている。

 マリは熱中してるのか、目を閉じ、大きな声を出す。アルファリアはゆらゆら揺れていた。


 そして、歌が終わる。


「ありがとうございました!」

「…素晴らしい。聞き惚れてしまうのも肯ける」

「上手く言葉に言い表せないがとても落ち着く曲だ。これでは船の操作なんてできるまい」

「えへへ。褒められて嬉しいです!」


 マリは嬉しそうに水の中を泳ぐ。


「この度はニホン国にきてくれてありがとう。次はこちらが行かせてもらう」

「わかりました。私共の王に伝えておきます。ニホン国の王はとても気さくな人だとも」

「ありがとう。では、私は仕事があるから…。その、アデュラン。丁重にニホン国を案内しろ」

「わかりました。兄上。さ、パンドラ。行こう」


 私はアデュランに手を引かれ、王城からでた。









 夜。流石に一日留守にするのはまずいらしく二人は帰ることになった。

 海に放してくれるだけでいいというので、海に放す。


「楽しかった。王に話次第またこちらの海に来る」

「うん。またね」


 二人は、そうして帰っていった。











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笑う門には福来る!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[一言] 更新乙です! キャラがぶれる程に嬉しいのですか……嬉しいのでしょうね… リアル世界だと子供と揶揄される年齢って事も在りますが、色々と溜め込んでたから仕方ないのかも… でもまぁ此れでニ…
[良い点] パンドラって、何だかんだで国に貢献してるよね。 [気になる点] これが、ニホン国と人魚の国『海底都市マールダウン』の交流の始まりであった?
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