表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪の魔王の作り方!  作者: 鳩胸 ぽっぽ
新二年生の休日
572/648

どうすれば勝てるのか?

 私は自分のダンジョンに戻ることにした。

 聖杯を返した今も、自分のダンジョンがある、ということはまだ私はキングのままだということだ。

 聖杯がある限り王だとは思っていたが、その考えはもしかしたら間違えかもしれないな。


「じゃあ王である条件っていったいなんだ? 王はなぜいるんだ?」


 疑問しかない。

 聖杯は一度自分の手元にない状態になった。聖杯がキングである証であるならば、その時点で崩壊が始まっているだろう。

 訳が分からない。それに、神の食器を盗んだだけでキングになれるというのは些か条件が甘すぎやしないか? 無作為に選ばれたというが…。本当に無作為なのか?


「ミキ先生に聞いたら何かわかるかもしれないか」


 ミキ先生はたしか一つキングが作ったダンジョンを踏破しているはず。

 私はミキ先生を近くの喫茶店に呼び出した。


「私に聞きたいことって?」

「単刀直入に言うと、先生が踏破したダンジョンについてです。食器を奪ったあと、ダンジョンは崩れましたか?」

「崩れてはいないけど、地形は変わったかな? パンドラさんほどじゃないけど複雑に…」

「…なるほど! わかった!」

「なるほどって?」

「今、ミキ先生も一つのダンジョンのキングになってるんです! ミキ先生が踏破したダンジョン…たぶんそれはミキ先生のダンジョンです」

「ほえ?」


 なるほど。

 この食器を手にしたものが王ということだ。神の食器を今現在手に持っているのがキング。だから移り変わるんだ。踏破して終わりじゃない。自分がキングになることも可能なんだ。

 私たちは今までキングを倒したら終わりだと思っていた。聖杯などの神の食器を集めるだけだと思っていた。

 違う、そうじゃない。このイベントは最後に神の食器を手にしていた人たちが勝つんだ。だから無作為で選ばれた。


「この仕組みが分かればミキ先生も狙われると思いますよ。地形が変わったのはそれはミキ先生がキングになったからです」

「よ、よくわからないけど…あのダンジョンは私の心の中って感じなの?」

「そうっぽいですね。早いところ玉座に座って防衛でもしなくてはなりませんね。ちなみに神の食器はどこに?」

「え、えっと…。私が拠点にしてる魔王城の自分の部屋、かな…」


 おう無防備! いつ奪われるかわからないじゃないですか!


「イベントリにしまえなかったから置いておいたんだけど…。ようするにあれを集めるんじゃなくてあれを最後まで手にしていたら勝ち、なの?」

「その通りです。盗まれるかもしれないから急いで戻りましょう!」


 勘違いしていた。この私が勘違いするなんて…。でも、取り戻せ、という文面が悪い。あれじゃ集めろと言わんばかりのものだ。

 取り戻せというのはどういう意味か。それはきっと王に選ばれなかった人たちが自分がのし上がるために取り戻せということか? 知らないけど。


「七つの神がいて七つの大陸、食器が何個あるかは知らないけど結構キングはいそうだな…。みんな勘違いしてないといいけど…」

「してるんじゃないかな。奪われた人も勘違いしたまま奪い返しに来そうだね」

「だからみんな困惑するんだろうなぁ…」


 私たちは急いで魔王城に向かった。


















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


笑う門には福来る!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[一言] 更新乙です! またもやミキちゃんが王に……… そのうち神化するんじゃ……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ