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悪の魔王の作り方!  作者: 鳩胸 ぽっぽ
新二年生の休日
564/648

ぶっ壊された白露

 翌日、学校の帰り道に白露が入院している病院に向かった。

 病室に近づいていくとなにやら暗い雰囲気がしてくる。


「ねえ、冷や汗かいてきたんだけど私だけかしら…」

「空気が重いな」

「幽霊、いるのかしら…? い、いやああ!」

「まだいるって決まったわけじゃないでしょ…。まあ、病院は比較的存在する方だけど」


 白露の病室に近づくにすれどんどん空気が重くなっていく。とうとう白露の病室の前についたが、空気が周りより一層重かった。

 私は白露の病室を開けると、そこには、運動ができなくて枯れ果てたものがいた。ベッドに座り、心なしか真っ白になっている…。空気が重いのはこいつが原因だ。


「…白露?」

「燃え尽きちまってる…」

「なぜ!? なにもしてないじゃない!?」


 きっと運動したい欲が強すぎたんだろうなぁ。


「あ、ああ、お前らか…。はは、私勉強しようと思うんだ…」

「うわ白露がぶっ壊れたぁ!」

「パン子! 人の壊し方知ってるなら治し方もわかるわよね!? 治して!」

「無理無理! 壊すほうが簡単なんだっての!」


 白露は力ない笑顔を浮かべる。


「パン子、勉強を教えてくれないか…」

「やめろぉぉぉ! 気色悪いんだよ! 白露が自発的に勉強しようというとなんかむず痒いっ! 頼むからいつもの白露に戻ってくれ!」

「月乃も一緒にパン子に教わろう」

「嫌よ! お願いだから元に戻って頂戴! このままだと私の精神の方がどうにかなりそうだわ! ほんと何十万でも払うから元に戻って…」


 スポーツできないだけでこうも壊れるのかよ。どんだけスポーツしたいんだ。スポーツ依存症か? 

 すると、白露はどこからか赤本を取り出し、勉強を始めており…。

 

 私はすぐさま取り上げた。


「な、なんてことをするんだい!」

「口調も変わってやがる!? 現世に戻ってこい! 白露、あんたは好き好んで勉強をするやつじゃあない!」

「これ終わったらスポーツ施設に連れていってあげるから…! お願いだから元に戻って…!」

「私は東大に行くって約束したんだ! だから邪魔をするな!」

「誰と約束したんだよ!」

「今は亡きパン子と…」

「生きとるわボケッ!」


 こいつの脳内で私は勝手に殺されてんのかよ。

 スポーツできない環境だけで病みすぎだろ! 私より心ぶっ壊れてんじゃないの!? いや、私もマジでどん引くレベルで壊れてるよ、滅多なことじゃ幻滅とかしない私もちょっとこのやばさはやばい。


「も~いやっ! こいつ嫌だよ! 私もうこいつと話したくねえ!」

「あのパン子ですら投げ出すの!?」

「完全に頭おかしくなってるよもう~!」


 私は頭を抱え、その場にうずくまる。

 どうしたらいいんだ…。壊れた友人を直す方法なんて私の知識にはないぞ…。好きなことをさせるとかいってもこいつの好きなことはスポーツだ。無理だ。


「わ、私もう帰るッ!」

「あ、私も帰るわ! じゃあね白露!」


 もう私お見舞い行かない! あと三日間ぐらいだからその分我慢しろい!














白露さん、スポーツができなくて壊れる

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笑う門には福来る!
新作です。VRMMOものです。
読んでもらえると嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[良い点] 人間って、とても打ち込んでいたものが出来なくなると、性格が変わるのか…マジやべぇ。 パン子も投げ出す程とは…これの後遺症で白霧が勉強できるようになったらどうしよう( ̄▽ ̄;)
[良い点] wwwwwwwwwwwww ラブ○なとかのネタが混じってるww [一言] 更新乙です! 凄い愉快な事になってますね~ あまりの変化に笑いがww でもまぁ好きな事を制限されてるのだし、…
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