白露が入院?
ゴールデンウィークが明け、学校に来たが、話によると珍しく白露が休みらしい。
こちらに何も連絡は来てないが…。それに、あいつ自身風邪ひいたことはない。
「なんかに巻き込まれて…?」
と、もう直ぐ授業が始まるって時に月乃が教室の扉を勢いよく開けてやってきた。
「パン子、白露が入院したって…!」
それを聞いた途端、私は汗をかいていた。
あいつが入院…? 巻き込まれた、という可能性が十分高い。
月乃も相当焦っている。
「おらー、席に…」
「先生! 早退します!」
そういって、私は病院に向かうのだった。
白露の病室は201号室らしい。私たちは急いで扉を開けると苦しそうに悶えている白露がいた。苦悶の表情を浮かべている。
「白露!」
「き、来た…か…」
「なんの病気だ!?」
「しゅ、手術が…必要、らしい…」
という。
私は付き添ってる白露の父さんを見て見るとため息をついていた。
…ん? なんでそんな焦ってないんだ? 実の娘が手術必要だっていうのにここまで取り乱してない。いや、取り乱さまいと思ってるかもしれないが…。
「…白露。なんの病気?」
「盲腸だ」
「やっぱりね…」
「えっ」
たしかに手術が必要だがそんな大丈夫か!?って心配するほどじゃないな。
盲腸の手術なんて失敗する方が難しい。
「な、なによぉ…。難病かと思って冷や冷やしたじゃないの…。盲腸ごときで弱々しいメッセージ送ってこないの!」
「う、運動ができないんだぞ!?重要だろう!」
いや全然。
私たちは緊張していた体の力がぬけ、その場でへたり込む。
なんで早退なんかしたんだろ。たかが盲腸なのに。
「その、なんだ。心配かけてすまない…」
「いえ…。大したことないってわかっただけでも…」
「こいつ今まで病気っていう病気になったことないから悲観的になってる。ほんとにすまない」
バカは風邪ひかないって言うしな。
「よく考えたら無駄に健康的な生活送ってるこいつが難病にかからないわな」
「そうね…。私らみたいに不摂生してないものね…」
食べる料理もカロリー等々を気にして気をつけながら食べているほどだ。
規則正しい生活を送るこいつがそう簡単に病気に負けるはずもない。ほんとに骨折り損じゃないかよ…。
「…その、なんだ。私が悪いのか?」
「盲腸程度に負けてるからあんたが悪いわ」
「だ、だが手術だぞ!? 不安になるだろう!」
「まず盲腸の手術成功確率を知っとけって…。失敗する確率はほんとに少ないぞ…」
盲腸程度でここまで弱くなる白露。幸先が不安になる。




