強かな奴らに送る絶望のラプソディー ①
福井警部はコーヒーを飲みながら他の警部さんと談話していた。
そして、五時ぐらいに今日は上がるといってカバンを手にしていた。警察署を出たので私も一緒に出て、一緒に福井警部の自宅まで向かう。
福井警部の自宅は一軒家で配偶者はなし…。独身のようだ。こそっと中に入ってみると、普通のリビングだった。
40インチのテレビにでかいソファ。独身貴族をただ堪能しているだけにも見える。
たださすがに家の外から見るしかできなくて中の構造はわからないが。
すると、福井警部はおもむろに壁に手をかけて、そしてこちらに近づきカーテンを閉める。中の様子が分からなくなってしまった。
そして、扉が開かれる音が聞こえる。
「さて、行きますか」
と、車の扉が開かれる音が聞こえ、そしてエンジンがかかった音が響く。
ゆっくりと車庫から車が出てきて、家の前に一度車が止まり、忘れ物をしたといって中に入っていく様子が見えたので私は車の後ろにこっそり侵入。
そして、あることができないかを考えてみる。私の体は液体というよりかは水に近い。水に近いなら透明にだってなれるはず。
こう、体の色を変えていくって感じで…。
すると、自分の体が透明になっていく。ただの水の塊がそこにあるようにしかみえない。これじゃ気づかれにくいだろう。
それに、五時とはいえ少し暗くなっている。時間帯も相まってわかりにくいだろう。気配を消して完璧、と。
そして、忘れ物を持ってきた福井警部が車の運転手席に乗り込んだ。そして、車は発車した。
そして、今現在は東京都のお台場にいた。
テレビ局の近くの潮風公園。海に面した公園らしく潮風が漂ってくる。すると、福井警部はおもむろにぽっけから何かを取り出した。
それは石みたいなものだが、それにはたしかに魔力を感じる…。魔石、というやつだ。
魔石を持っていると考えると、異世界に行ったという線がかなり高い。
「ふひっ、今まで邪魔されてきたがよォ…。ここなら大丈夫だろう。あの勇者共も、あの異世界人もそう簡単には来れない。世界の終わりはすぐそこにあるぜ…」
と、強い魔力を感じていた。
その瞬間、ぐわんと空間が歪み、真っ黒い穴が現れた。
確定だ。空間に穴をあけた犯人は福井警部だ。私はとりあえず潮風公園に来いとワグマとビャクロに伝え、私は体を元に戻し、気配を出す。
すると、焦ったように振り向く福井警部。
「やあ。福井警部。こんなところで何をしてるんだい?」
「…見ていたの、か」
「そりゃもうばっちりこの二つの目で見たから。やっぱお前だったんだな」
私がそういうと彼は笑った。
私は戦闘態勢を取る。戦闘は苦手だが、戦うつもりなら仕方ないだろう。




